希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考える、和歌山大学江利川研究室のブログです。

1月11日(土) 日本英語教育史学会研究例会(東京)

日本英語教育史学会276研究例会

日時:2020年1月11日(土)14:00~17:00

会場:順天堂大学お茶の水キャンパス第2教育棟303教室

参加費:無料

 

研究発表

日本の自治体における外国語教育政策の波及:1970年代以降の各都道府県の「研究テーマ」を手がかりとして

青田庄真氏筑波大学[助教])酒井秀翔氏筑波大学[学群生])

【概要】新政策を積極的に開拓する自治体,他の動向を見極めて導入する自治体がある。本研究では,外国語教育をめぐる自治体の政策過程を明らかにすることを目指し,史料をもとに政策の内容を類型化するとともに,その類型や自治体の特徴に着目して政策波及の動態を分析する。

 

研究発表②

講和後におけるロックフェラー財団フィランソロピー戦略

広川由子氏愛知江南短期大学[講師])

【概要】本発表は,講和条約締結後におけるロックフェラー財団の対日英語教育支援活動の実態を、日本英語教育研究委員会(ELEC)の成立と展開に着目して明らかにすることを目的とする。ELECの実態解明を通して、米国側の日本の英語教育への「まなざし」に言及し、財団の活動を「フィランソロピー戦略」という新概念で定義することを提唱したい。使用する史料は主にロックフェラー財団文書館所蔵のジョン・D・ロックフェラー3世文書である

 

<問合先>日本英語教育史学会例会担当メール:

 reikai(at)hiset.jp (at)を@に変換してください。

◆例会は会員・非会員に限らずどなたでもご参加いただけます(予約不要)。

◆ご宿泊の方は宿泊先等の確保をお早めにお願いします。

◆例会終了後に懇親会を行います。こちらにも奮ってご参加ください。

<会場案内> 次のリンク先をご参照ください。

順天堂大学国際教養学部キャンパスと施設

ページ下段にある地図内の「第2教育棟」が会場です。

www.juntendo.ac.jp

hiset.jp

 

謹賀新年

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2020年の年賀状

新年明けましておめでとうございます。

年末にお知らせしましたように、私は年賀はがきの送付を原則として廃止しました。

ですが、多くの方から年賀状をいただき、恐縮しています。

手許にあった年賀はがきで100通ほどは返礼を差し上げたのですが、すべてとはいかず、電子版にて失礼をお許しください。

(江利川 春雄)

1/25 シンポジウム 日本の英語教育をどうするか ―民間試験活用の誤謬―

18回 英語教育総合学会

日時:1月25日(土)13001700
場所:四天王寺大学6号館6253教室

シンポジウム 日本の英語教育をどうするか

   ―民間試験活用の誤謬―

 

「民間試験を課せば英語が話せるのか―言語差と脳内処理が壁―」 成田一大阪大学名誉教授)

「英語教育と民間試験の「借用」」  蔦田和美(関西外国語大学

「官邸主導の英語教育政策を問い直す」江利川春雄(和歌山大学

特別講演 「今こそ、「ことば」の教育を!」大津由紀雄慶應義塾大学名誉教授)

全体討論

 

参加費:1000円、どなたでも参加可能。シンポジウム詳細は本学会のHPを参照。

連絡/問い合わせ 事務局 orchid-e [AT] kcc.zaq.ne.jp

 

 

シンポジウムの理念

2020年度からの小学校での英語教科化を前に、教員の間には不安も多い。セミナーでは、「英語が何故日本人にとって習得困難か」を言語差と疑問詞や関係詞の移動操作の脳内処理などから認識していただき、英語をどのように教えるかを早期英語教育に携わる講師陣が解説するとともに大阪府のDREAMの実践例についても報告する。本セミナーでは特に英語発音のエッセンスと激しく変容する調音メカニズムを明快に解説し、英語担当教員が発音についても自信を持って指導できるようになることを目標としている。

 

講演概要

成田:「グローバリゼーションの時代に『日本人が英語を話せる』英語教育をするように」という企業の意向を政治家が受け、それに沿うべく文科省がコミュニケーション英語に舵を切った1990年前後以降、英会話力がさほど向上してこなかった。英語民間試験の成績活用というのは、その状況で、中高や予備校の英語教育を「話す」ことにベクトルを向けさせる目論見で推進されたものだ。「日本人が英語を話せない」のは「極端な言語差」と(文法操作の瞬間的な)「脳内処理」が壁となるためだ。言語獲得期ならば越えられるが、それ以降は、文法基盤を固め繰り返し練習ないと運用ができない。いきなりコミュニケーションというのは、言語習得の仕組みを理解していない愚かな暴挙だ。

 

蔦田:一般的に英語試験の概要は、平常時の学習内容に与える波及効果は大きい。従って、これまでの共通一次試験におけるマークシート式試験は学生を知識偏重の学習に導く傾向が強いと考えられる。その意味で「話す」「書く」力を選考基準とすることは教育にとって一つの前進といえる。しかしその一方で、物理的な非合理性から民間会社に委ねることを解決策としたことは間違いであったという事実は否めない。見送りとなった案は、民間試験の「活用」ではなく「借用」と言える。今後さらなる検討がすすむ中、民間試験借用の問題点を明らかにし、今後のより良い英語学習環境の構築を目的に、目標とするにふさわしい入学試験の在り方を考えたい。

 

江利川:まっとうな専門家不在のまま官邸主導で下ろされる英語教育政策。背後にあるのは、①素人財界人・政治家の思い込みと、御用学者の下支え、②内閣人事局による官僚支配、③英語民間試験導入・「高校生のための学びの基礎診断」など教育市場化による巨大利権構造、④格差と選別の新自由主義。これらの危険性は民間試験・記述式導入延期問題で明らかになりつつある。攻勢に転じよう。いまや英語教育は政治問題。広汎な市民との連携による政策転換が必要だ。そのために、学理と実践に根ざした反論、発信、行動を。多忙化で追いつめられた教員の「沈黙」こそが、官邸を暴走させる。声を上げよう。逃走から闘争へ!

 

大津:母語教育としての「国語」教育と外国語教育としての英語教育が揺れている。人間だけに与えられた宝物としてのことば(language)の本質を理解し、その力を縦横に発揮させるための言語教育という考えの欠如が現在の混乱のもとにある。新しい学習指導要領にその萌芽が明確に見られる、「ことば」という視点からの言語教育こそが現在の混乱から教育を救う鍵であることをできるだけ平明に具体例を交えながら語るつもりである。

 

(2019.12.29 理念と講演要旨を追記)

英語教育史重要文献集成 第Ⅲ期 全5巻 刊行

英語教育史重要文献集成 第Ⅲ期 全5巻(第11〜15巻)が、ゆまに書房より刊行されました。

英語教育史重要文献集成 第Ⅲ期 全5巻【new!】 - ゆまに書房

 2017年の第Ⅰ期(全5巻)、2018年の第Ⅱ期(全5巻)に続くもので、文献の選定と解題の執筆にちょうど1年を要しました。

とりわけ、9月以降は解題執筆の追い込みに忙殺されていましたので、本が届いたときには、第3子が生まれたような嬉しさでした。

英語教育の未来を語るには、過去から謙虚に学ぶ必要があります。

そのための一助となれば幸いです。

英語教育史重要文献集成 第Ⅲ期 第11巻 英語教育論 1

刊行年月 2019年11月 定価22,000円 (本体20,000円) ISBN978-4-8433-5637-1

日本英語教育界の最高の名著といわれる岡倉由三郎の『英語教育』増補版(1937)。明治末の初版(1911)を約2倍に増補した定本。小学校英語やアクティブラーニングをも論じるなど、今こそ読み直したい古典的名品。
・岡倉由三郎[著] 英語教育〔増補版〕 1937年  研究社

英語教育史重要文献集成 第Ⅲ期 第12巻 英語教育論 2

刊行年月 2019年11月 定価20,900円 (本体19,000円) ISBN978-4-8433-5638-8

日本における外国語教育の歩みを語る上で欠かせない文献でありながら、入手困難な幻の5点を収録。
・大阪外国語学校[編・発行]中学校に於ける外国語に就いて  1924年
・三島和介[筆記]文部省嘱託英語顧問パーマ氏講演筆記  1924年頃  海軍兵学校発行
・ハロルド・パーマ[著]日本に於ける英語教育の比較的不成功なる原因 リーダーシステムの解説及教授法  1929年頃  英語教授研究所発行
・南満洲鉄道株式会社地方部学務課[編・発行] 英語教育ニ関スル専門家ノ意見  1933年
・石川林四郎[著]英語教育の理論と問題  1937年  研究社

英語教育史重要文献集成 第Ⅲ期 第13巻 英語通信教育

刊行年月 2019年11月 定価18,700円 (本体17,000円) ISBN978-4-8433-5639-5

経済的理由などで進学できなかった庶民層に英語学習の機会をもたらし、英語教育の普及に寄与した通信教育。その一次資料を初めて系統的に復刻する。
大日本英語学会一覧 1898年/イーストレーキ英語学会一覧 1902年/新式英語通信教授 学則一覧 1912年/大日本英語通信学校学制一覧 教授録見本 1915年頃/研究社英語通信講座 附入学案内 1928年/実用英語講座 入会規定・内容見本 1928年/英語通信社之教授一班(会則) 1930年頃/井上英語講義録 新学期内容見本 1937年/欧文社通信添削会 内容紹介 1942年/日本英語教育協会の英語通信教育案内 1952年/井上英語通信講座 入学案内 1953年

英語教育史重要文献集成 第Ⅲ期 第14巻 戦時下の英語

刊行年月 2019年11月 定価15,400円 (本体14,000円) ISBN978-4-8433-5640-1

謎に包まれてきた太平洋戦争期の日米両軍を含む語学教育。その実態を証言する幻の文献群。
・日本軍[編・発行] 軍用英語会話  1942年
・文部省専門学務局[編・発行] 高等学校外国語教授研究会講演集  1942年
海軍兵学校[編・発行] 英語参考書 其ノ一(英語学習指針) 1944年
・米国陸軍省(戦争省)[編・発行]English-Japanese Phrase Card  1945年

英語教育史重要文献集成 第Ⅲ期 第15巻 敗戦・占領下の英語

刊行年月 2019年11月 定価22,000円 (本体20,000円) ISBN978-4-8433-5641-8

戦後英語教育の出発点となった敗戦・占領下のレアな語学教育文献7点。占領軍の日英対訳教材や沖縄のガリ版刷り英語教科書は文化史的にも貴重。
・語学教育研究所[編] 戦後の外国語  1947年 開拓社発行
・Information and Education Section, GHQ, AFPAC[編集・発行] Japanese Phrase Book for the Occupation Forces(占領軍用英和対訳表現集) 1946年 
・磯尾哲夫[著] 英語教授の理論と実際  1948年 教育文化研究会発行
・<沖縄のガリ版刷り英語教科書>
英語のエホン/English-book 英語読本 初等学校用1・2/Let's Learn English 初等学校用

 

11.24 和歌山大学祭ライブ

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和歌山大学教員ロックバンド「先コウ花火」の2019年ユニット

和歌山大学教員ロックバンド「先コウ花火」の大学祭ライブが11月24日に行われました。

1曲目はThe BeatlesのBack in the USSR.

軽快なロックンロールでスタートです。

 

今年は結成以来初めて女性ボーカルとジョイント。

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初の女性ボーカルは学部3回生

伸びやかな歌声で、Aikoの「ロージー」、Judy and MaryのLover Soulと「散歩道」の3曲を熱唱。

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Aikoのロージー、 Judy and MaryのLover Soulと散歩道を熱唱

彼女としては初のロック・ステージを楽しんでくれました。

今回のもう一つの試みはフュージョンへの挑戦。

DimensionのSe.le.neでは中串さんのサックスが冴え渡りました。

その中串さんはマルチなミュージシャン。

QueenのCrazy Thing Called Loveではウクレレで参戦。

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QueenのClazy Little Thing Called Love

最後を大いに盛り上げたのがMongol 800の「小さな恋のうた」

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最後の曲は「小さな恋のうた」

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メンバー全員がステージに

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会場は大興奮で、歌声が響きました。

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次はクリスマス・ライブです。

お祭は学生と一緒に盛り上げないと。
ああ楽しかった!


次は年末のクリスマス・ライブです。



 

 

 

 

11月16日(土)京都市で日本英語教育史学会例会

日本英語教育史学会 研究例会のご案内
時:20191116日(土)14:0017:00
場:真宗教化センターしんらん交流館
               (京都市下京区諏訪町通六条下ル上柳町199)
参加費:無料
 
研究発表①
アジア太平洋戦争下の雑誌『語学教育』について
河村和也氏(県立広島大学准教授)
 
【概要】1942(昭和17)年2月、英語教授研究所は創設以来刊行していたThe Bulletinの誌名を変え『語学教育』第180号として発行した。翌月には、研究所自身の名称も語学教育研究所に変更している。『語学教育』は1973(昭和48)年1月まで発行が続けられたが、The Bulletinが名著普及会により1985年に復刻されたのと比べると、その全容が明らかになっているとは言い難い。本発表では、アジア太平洋戦争下に刊行された18冊、すなわち1942(昭和17)年2月発行の第180号から1945(昭和20)年1月発行の第197号に焦点を当て、その内容上の特徴を考察してみたい。
 
研究発表②
Benjamin Franklin’s alphabet reform proposal and its influence on Noah Webster's American English dictionary and textbooks
Judy Yoneoka(Professor, Kumamoto Gakuen University)
 
【Abstract】Noah Webster is generally credited for creating the concept of “American English” through his dictionaries and blue-backed spellers, which have come to enjoy immense popularity both in the United States and abroad. His works were widely used in Japan as well. However, Webster was highly influenced by the spelling and alphabet reforms proposed by printer, inventor and politician Benjamin Franklin. The goals of this presentation are twofold: 1) it attempts to gauge the influence of Benjamin Franklin’s alphabet reform on Webster’s work by reviewing Franklin’s original proposal and tracing the transfer of his work to Webster though analysis of their written correspondence, consisting of 8 letters between 1786-1789. 2)It reviews Webster’s experiments with revised spelling in works published around the time of Franklin’s death, when he was most directly influenced by Franklin’s alphabet reform, and follows the changes inFranklin's influence over several editions of Webster’s dictionary, even after the latter's death in 1843.
 
<問合先>日本英語教育史学会例会担当
メール: reikai(at)hiset.jp(at)を@に変換してください。
 
◆例会は会員・非会員に限らずどなたでもご参加いただけます(予約不要)。
◆行楽シーズンにつき,ご宿泊の方は宿泊先等の確保をお早めにお願いします。
◆例会終了後に懇親会を行います。こちらにも奮ってご参加ください。
 
<会場案内>次のリンク先をご参照ください。
真宗教化センターしんらん交流館