希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

明治期の小学校英語教授法研究(10)

枩田與惣之助(まつだよそのすけ)の『英語教授法綱要』(1909:明治42年)の復刻と考察。 久しぶりの第10回です。 小学校における英語教授法を検討しています。 枩田の考察の特徴は、内外(特にヨーロッパ)の外国語教授法理論を実に広範に検討していること…

ゼミ通信 La LaLa 第16号

木枯らし第1号が吹きました。 さぶ~ おでんに熱燗が恋しい季節になりました。 まずは朗報。 エリゼミに参加しているMinoriさんが、大阪府の教員採用試験中学校英語科にみごと一発で合格しました! おめでとう!! この3月に卒業した森さんも和歌山県の高…

古谷専三の波乱の生涯(後編)

古谷専三(1894~1991)の英文読解指導法である「古谷メソッド」が帝大進学をめざす旧制高校生たちを指導する過程で生まれたことは、前回述べた。 古谷はこう語っている。 「私はこのメソッドについては、私の徹底した自我中心的生きかたの一つの表現として…

古谷専三の波乱の生涯(前編)

名著『英語のくわしい研究法』(たかち出版、1979)や『英文の分析的考え方18講:英文解釈・古谷メソッド・完結篇』(たかち出版、1982)を手にして以来、著者である古谷専三(ふるや せんぞう)のことが気になってしかたがなかった。 上記の本の「著者紹介…

ゼミ通信La La La 15号

秋本番! 学びの秋です。 ゼミには家政教室からさらに新たな仲間が加わりました。 今日の模擬授業では、Umeちゃんが協同学習のジグソーを取り入れた読み取りの授業を英語でやってくれて、大いに刺激になりました。 中国の反日デモを扱った時事的な教材(昨日…

明治期の小学校英語教授法研究(9)

枩田與惣之助(まつだよそのすけ)の『英語教授法綱要』(1909:明治42年)の復刻と考察。 久しぶりの第9回です。 小学校における英語教授法を検討しています。。 枩田の考察の特徴は、内外(特にヨーロッパ)の外国語教授法理論を実に広範に検討しているこ…

(緊急アピール)奨学金・国立大学運営費 大幅削減の危機

10月19日(火)までに、政府にパブリックコメントを! 奨学金・授業料減免のための予算や、国立大学運営費が大幅にカットされようとしています。 これを防ぐため、政府にパブリックコメントを送りましょう。 2010年6月22日に閣議決定によって、国立大学法…

和歌山大学教育学部の就職率 近畿の文系で1位!

雑誌『東洋経済』10/16号の特集「本当に強い大学2010」の学部別就職率ランキングにおいて、和歌山大学教育学部の就職率(93.7%)が上位にランキングされました。 『東洋経済』が選択した主要181大学(私立112、国立62、公立7)を対象にしたランキ…

2010年度後期最初のゼミ通信LaLaLa 14号

後期が始まり、ゼミもにぎやかに再開されました。 この8-9月は、猛暑の中、教員採用試験や教育実習など、みなさんお疲れ様でした。 久しぶりに見ると、みんな一回り大人になったように思います。 経験を積むことは大切ですね。 秋のゼミ合宿の日程も11月22…

日本人名の英語表記の歴史

日本の首相は Naoto Kan か、Kan Naoto か? 日本人の姓名を英語で表記する場合の順番の問題について、先日ご質問をいただきました。 この問題には一般の関心も高いようで、2007年に「ムーヴ」というテレビ番組から取材を受け、解説したことがあります。 そ…

明治期の小学校英語教授法研究(8)

枩田與惣之助の『英語教授法綱要』(1909:明治42年)の復刻と考察。 第7回です。 いよいよ小学校における英語教授法の検討へと進みます。 枩田(まつだ)の考察の特徴は、内外(特にヨーロッパ)の外国語教授法理論を実に広範に検討していることです。 構…

明治期の小学校英語教授法研究(7)

枩田與惣之助の『英語教授法綱要』(1909:明治42年)の復刻 第6回です。 小学校における英語教育のあり方について、法令に基づき、精緻な議論を進めます。 今回は第四章 本邦小学校英語科の目的の最後の部分で、「時間数」と「児童の編成」に関する部分で…

明治期の小学校英語教授法研究(6)

枩田與惣之助(まつだ・よそのすけ)の『英語教授法綱要』(1909:明治42年)の復刻 第6回です。 小学校でなぜ英語を教えるのか。 その「目的論」から議論を進めます。 ************* 第三 本邦小学校英語科の目的 上来叙述せる所は小学校英語…

明治期の小学校英語教授法研究(5)

新学期が始まりました。 新しい受講生との出会いは、ワクワク、ドキドキ。 その忙しい時期に、ある学会の論文審査委員会と運営委員会があり、10月2~3日の土日は名古屋出張。 事前に11本の投稿論文を査読し、コメントを書き、もう一人の担当委員とメールで相…