希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

日本の外国語教育政策史点描(4)コミュニケーション重視へ(その2)

JETプログラムの光と影 1980年代の日本は好景気で、大幅な対米貿易黒字を計上していた。 他方、1981(昭和56)年にアメリカ大統領に就任したロナルド・レーガンは、軍事支出の大幅に増やした。 そのため米国は財政赤字が拡大し、貿易収支も赤字という「双子の…

日本の外国語教育政策史点描(3)コミュニケーション重視へ(その1)

コミュニケーション重視への転換 教育課程審議会答申(1987) 臨時教育審議会の最終答申(1987年8月)を受けて、文部省の教育課程審議会は1987(昭和62)年12月24日に「幼稚園、小学校、中学校及び高等学校の教育課程の基準の改善について」を文部大臣に答申…

日本の外国語教育政策史点描(2) 臨時教育審議会(その2)

臨時教育審議会の英語教育政策(1980年代) その2 ************** 【資料】「臨時教育審議会第二次答申」(1986年4月23日) (3)外国語教育の見直し 現在の外国語教育、とくに英語の教育は、長期間の学習にもかかわらず極めて非効率であり、改善する必要が…

日本の外国語教育政策史点描(1) 臨時教育審議会(その1)

「本書を書こうと考えた動機は、相次ぐ英語教育改革である」 これは鳥飼玖美子さんから贈られた新著『英語教育論争から考える』(みすず書房)の冒頭の一文である。 鳥飼さんは、「過去の論争や改革をもとに議論を進めるということが行われた形跡が全くない…

新英研が「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」に関する要望書

新英語教育研究会(瀧口優会長)は、8月3日(日)の新英研京都大会の総会で採択された文科省への要望書を、8月13日、下村文部科学大臣に提出しました 「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」に関する要望書 平成26年8月3日 下村博文文部科学…

学習指導要領の「授業は英語で」は何が問題か

このたび発売された大修館書店の『英語教育』9月号に、私と久保田竜子先生(カナダ・ブリティッシュコロンビア大学)との共著で「学習指導要領の『授業は英語で』は何が問題か」と題した論文を発表しました(70-72ページ)。 この論文執筆の直接のきっかけは…

学生に人気の映画教材

前期の授業が終わり、成績評価をしつつ、「ふり返り(省察)」の時間を過ごしています。 大阪大学外国語学部の「英語」では、今年もすべて映画を使った自主教材で授業をしました。 アンケートによれば、学生たちに大人気だったのは以下の4本です。 1位 レ…

8月11日(月)大阪梅田で『学校英語教育は何のため?』出版イベント

8月11日(月) 私たち「4人組」の新著『学校英語教育は何のため?』(ひつじ書房)の出版を記念するイベントとして、大阪梅田で下記の講演を行います。 講演「学校英語教育は10パーセントのエリートだけのものではない」(江利川春雄・和歌山大学教授) (…

沢田研二の痛烈な反原発ソング

沢田研二さん新曲が原発批判ソング!「一握り人の罪」 U2、Green Day など、海外のミュージシャンは自分の主義主張を直接歌う例が少なくない。 その点、日本のミュージシャンは・・・ などと嘆いても始まらない。 忌野清志郎は今は亡いが、3.11直後の斉藤和…