希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

新著『英語と日本人:挫折と希望の200年』(ちくま新書)

新著『英語と日本人:挫折と希望の200年』(ちくま新書)が12月7日に校了し、表紙デザインが届きました。発売は1月7日の予定です。

今年9月に出した姉妹編『英語教育論争史』(講談社選書メチエ)との連続執筆でキツかったですが、知的スリルに満ちた楽しい時間でした。

「英語ができない」という挫折感。「英語ができるようになりたい」という希望。両者を錯綜させ、日本人は涙ぐましいほどの国民的エネルギーを英語に注いできました。

そろそろ立ち止まって英語と日本人の関係を問い直し、これからどうすればよいのかを考えるべきではないでしょうか。英語に振り回されるのではなく、英語との正しい付き合い方を冷静に考える時期にきていると思います。

そのために、幕末の英語学び始めから現在までの英語と日本人の約200年の関係史をたどり、挫折と希望、成功と失敗の足跡を検証することで、未来への展望を見出したい。そんな思いで、本書を執筆しました。

叙述にあたっては、過去と現在を自由に行き来して歴史と対話し、歴史的および今日的な視点から積極的に論評を加えました。また、夏目漱石や田中菊雄などの人物像や様々なエピソードを交えて、現代の視点から通史的に描きました。

特に近年の官邸主導の英語教育改革については、私自身が論争の当事者だったこともあり、歯に衣着せぬ批判を加えました。より良い英語教育を願うからです。

目次は以下の通りです。

 

第1章 「半文明人」から脱却せよ

第2章 日本人にふさわしい英語学習法を求めて

第3章 英語縮廃論と戦争の逆風にめげず

第4章 だれもが英語を学べる時代に

第5章 グローバル化とAI時代の英語

 

先人たちの声に耳を傾け、英語教育の最前線を知ることで、日本人にふさわしい学習法を理解し、これからの英語と日本人のあるべき姿を考えていきませんか。

 

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