希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

鳥飼玖美子著『子どもの英語にどう向き合うか』

鳥飼玖美子さんから『子どもの英語にどう向き合うか』(NHK出版新書)を恵贈いただきました。

素晴らしい本です。

親たちが不安に思っている小学校英語問題への対応の仕方を、学問的な裏付けに基づき、また自身の体験も交えて、たいへん分かりやすい文体で書かれています。

まさに時代が求めている本だと思いました。

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序 章 親の役割

第1章 子どもと言語

第2章 英語教育史から探る

第3章 2020年からの小学校英語

終 章 未来に生きる子どもたちと英語

このように、和歌山大学の私の研究室で鳥飼さんと初めて仕事をご一緒したNHK教育テレビ「英語は眠らない 英語・愛憎の二百年」(2011年放映)の内容が、「第2章 英語教育史から探る」として盛り込まれています。

このときの意気投合が「4人組」結成につながりました。

内容的にも、英語教育史的な内容を盛り込んだことで、本に深みが増したと思います。

それにしても、『英語教育の危機』(ちくま新書)に続けて、今年すでに2冊目の本を刊行されている筆力の高さ、内容の豊かさに脱帽です。

日本の英語教育政策は惨憺たる状況で、事態はまさに「危機的」です。

だからこそ、「書きたくない・書けない」という気持ちを乗りこえて執筆された鳥飼さんのように、あきらめずに発信を続けることが大切だと思います。

「知は力なり」です。