希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

10月27日(土)早大で英語教育シンポジウム

10月27日(土)に早稲田大学戸山キャンパスで開催される日本英文学会関東支部秋季大会で、メインシンポジウム(英語教育部門)「どこへ行く、日本の英語教育―現在を見つめ、未来を考える」が行われます。ふるってご参加ください。

時間 2018年10月27日(土)16:15 – 18:15

会場 36号館3階382号室(文学部・文化構想学部)

登壇者は、以下の通りです。

(講師)東京大学教授 阿部 公彦
(講師)和歌山大学教授 江利川 春雄
(講師)東京都立新宿高校英語科主任教諭 笠原 眞樹子
(講師)東京都立西高校英語科主任教諭 福田 恭久

司会は、東洋大学講師の久世恭子先生。
(久世先生は、2006年の東大大学院での私の集中講義「日本英語教育史研究」に院生として出席してくれました。懐かしい!)

イメージ 1

『史上最悪の英語政策—ウソだらけの「4技能」看板』(ひつじ書房、2017)を書かれた東大の阿部公彦先生をはじめ、みなさんと英語教育(政策)の危機的な現状を明らかにし、打開策を一緒に考えたいと思います。

私の講演要旨は次の通りです。

「新学習指導要領と英語教育政策の問題点」(江利川 春雄)

教育政策の基調は、上位1割の「トップを伸ばす戦略的〔グローバル〕人材育成」であり、英語教育はその尖兵とされている。

このために、①小学校英語の早期化・教科化、②中高での語彙の大幅増と内容の高度化、③英語による授業の強要、④大学英語入試の民営化により、英語格差を早期化・拡大し、エリート抽出機能を強化する。

私たちは、1)「主体的・対話的で深い学び」を、全員に質の高い学びを保障し、自律学習者=批判的主権者を育成する「協同学習」に組み替え、2)小学校英語を国語教育と連携した「ことばの教育」に置き換え、3)エビデンス無き反知性主義的な政策に学理と検証で反論し、4)小学校英語の教科化と「英語で授業」を指導要領から除外させ、5)官邸主導の素人による教育政策決定システムを転換させ、6)政策に無関心な英語教育関係者を覚醒させよう。

技能主義と競争主義を超え、心豊かな人間を育てる外国語教育を追求し続けよう。

*****

懇親会にも参加し、多くのみなさんと交流を深めたいと思います。

ぜひ、お越しください。