新年明けましておめでとうございます。
年末にお知らせしましたように、私は年賀はがきの送付を原則として廃止しました。
ですが、多くの方から年賀状をいただき、恐縮しています。
手許にあった年賀はがきで100通ほどは返礼を差し上げたのですが、すべてとはいかず、電子版にて失礼をお許しください。
(江利川 春雄)
新年明けましておめでとうございます。
年末にお知らせしましたように、私は年賀はがきの送付を原則として廃止しました。
ですが、多くの方から年賀状をいただき、恐縮しています。
手許にあった年賀はがきで100通ほどは返礼を差し上げたのですが、すべてとはいかず、電子版にて失礼をお許しください。
(江利川 春雄)
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
2020年元旦 江利川 春雄
第18回 英語教育総合学会
日時:1月25日(土)13:00-17:00
場所:四天王寺大学6号館6-253教室
シンポジウム 日本の英語教育をどうするか
―民間試験活用の誤謬―
「民間試験を課せば英語が話せるのか―言語差と脳内処理が壁―」 成田一(大阪大学名誉教授)
「英語教育と民間試験の「借用」」 蔦田和美(関西外国語大学)
「官邸主導の英語教育政策を問い直す」江利川春雄(和歌山大学)
特別講演 「今こそ、「ことば」の教育を!」大津由紀雄(慶應義塾大学名誉教授)
全体討論
参加費:1000円、どなたでも参加可能。シンポジウム詳細は本学会のHPを参照。
連絡/問い合わせ 事務局 orchid-e [AT] kcc.zaq.ne.jp
シンポジウムの理念
2020年度からの小学校での英語教科化を前に、教員の間には不安も多い。セミナーでは、「英語が何故日本人にとって習得困難か」を言語差と疑問詞や関係詞の移動操作の脳内処理などから認識していただき、英語をどのように教えるかを早期英語教育に携わる講師陣が解説するとともに大阪府のDREAMの実践例についても報告する。本セミナーでは特に英語発音のエッセンスと激しく変容する調音メカニズムを明快に解説し、英語担当教員が発音についても自信を持って指導できるようになることを目標としている。
講演概要
成田:「グローバリゼーションの時代に『日本人が英語を話せる』英語教育をするように」という企業の意向を政治家が受け、それに沿うべく文科省がコミュニケーション英語に舵を切った1990年前後以降、英会話力がさほど向上してこなかった。英語民間試験の成績活用というのは、その状況で、中高や予備校の英語教育を「話す」ことにベクトルを向けさせる目論見で推進されたものだ。「日本人が英語を話せない」のは「極端な言語差」と(文法操作の瞬間的な)「脳内処理」が壁となるためだ。言語獲得期ならば越えられるが、それ以降は、文法基盤を固め繰り返し練習ないと運用ができない。いきなりコミュニケーションというのは、言語習得の仕組みを理解していない愚かな暴挙だ。
蔦田:一般的に英語試験の概要は、平常時の学習内容に与える波及効果は大きい。従って、これまでの共通一次試験におけるマークシート式試験は学生を知識偏重の学習に導く傾向が強いと考えられる。その意味で「話す」「書く」力を選考基準とすることは教育にとって一つの前進といえる。しかしその一方で、物理的な非合理性から民間会社に委ねることを解決策としたことは間違いであったという事実は否めない。見送りとなった案は、民間試験の「活用」ではなく「借用」と言える。今後さらなる検討がすすむ中、民間試験借用の問題点を明らかにし、今後のより良い英語学習環境の構築を目的に、目標とするにふさわしい入学試験の在り方を考えたい。
江利川:まっとうな専門家不在のまま官邸主導で下ろされる英語教育政策。背後にあるのは、①素人財界人・政治家の思い込みと、御用学者の下支え、②内閣人事局による官僚支配、③英語民間試験導入・「高校生のための学びの基礎診断」など教育市場化による巨大利権構造、④格差と選別の新自由主義。これらの危険性は民間試験・記述式導入延期問題で明らかになりつつある。攻勢に転じよう。いまや英語教育は政治問題。広汎な市民との連携による政策転換が必要だ。そのために、学理と実践に根ざした反論、発信、行動を。多忙化で追いつめられた教員の「沈黙」こそが、官邸を暴走させる。声を上げよう。逃走から闘争へ!
大津:母語教育としての「国語」教育と外国語教育としての英語教育が揺れている。人間だけに与えられた宝物としてのことば(language)の本質を理解し、その力を縦横に発揮させるための言語教育という考えの欠如が現在の混乱のもとにある。新しい学習指導要領にその萌芽が明確に見られる、「ことば」という視点からの言語教育こそが現在の混乱から教育を救う鍵であることをできるだけ平明に具体例を交えながら語るつもりである。
(2019.12.29 理念と講演要旨を追記)
英語教育史重要文献集成 第Ⅲ期 全5巻【new!】 - ゆまに書房
2017年の第Ⅰ期(全5巻)、2018年の第Ⅱ期(全5巻)に続くもので、文献の選定と解題の執筆にちょうど1年を要しました。
とりわけ、9月以降は解題執筆の追い込みに忙殺されていましたので、本が届いたときには、第3子が生まれたような嬉しさでした。
英語教育の未来を語るには、過去から謙虚に学ぶ必要があります。
そのための一助となれば幸いです。
刊行年月 2019年11月 定価22,000円 (本体20,000円) ISBN978-4-8433-5637-1
日本英語教育界の最高の名著といわれる岡倉由三郎の『英語教育』増補版(1937)。明治末の初版(1911)を約2倍に増補した定本。小学校英語やアクティブラーニングをも論じるなど、今こそ読み直したい古典的名品。
・岡倉由三郎[著] 英語教育〔増補版〕 1937年 研究社
刊行年月 2019年11月 定価20,900円 (本体19,000円) ISBN978-4-8433-5638-8
日本における外国語教育の歩みを語る上で欠かせない文献でありながら、入手困難な幻の5点を収録。
・大阪外国語学校[編・発行]中学校に於ける外国語に就いて 1924年
・三島和介[筆記]文部省嘱託英語顧問パーマ氏講演筆記 1924年頃 海軍兵学校発行
・ハロルド・パーマ[著]日本に於ける英語教育の比較的不成功なる原因 リーダーシステムの解説及教授法 1929年頃 英語教授研究所発行
・南満洲鉄道株式会社地方部学務課[編・発行] 英語教育ニ関スル専門家ノ意見 1933年
・石川林四郎[著]英語教育の理論と問題 1937年 研究社
刊行年月 2019年11月 定価18,700円 (本体17,000円) ISBN978-4-8433-5639-5
経済的理由などで進学できなかった庶民層に英語学習の機会をもたらし、英語教育の普及に寄与した通信教育。その一次資料を初めて系統的に復刻する。
大日本英語学会一覧 1898年/イーストレーキ英語学会一覧 1902年/新式英語通信教授 学則一覧 1912年/大日本英語通信学校学制一覧 教授録見本 1915年頃/研究社英語通信講座 附入学案内 1928年/実用英語講座 入会規定・内容見本 1928年/英語通信社之教授一班(会則) 1930年頃/井上英語講義録 新学期内容見本 1937年/欧文社通信添削会 内容紹介 1942年/日本英語教育協会の英語通信教育案内 1952年/井上英語通信講座 入学案内 1953年
刊行年月 2019年11月 定価15,400円 (本体14,000円) ISBN978-4-8433-5640-1
謎に包まれてきた太平洋戦争期の日米両軍を含む語学教育。その実態を証言する幻の文献群。
・日本軍[編・発行] 軍用英語会話 1942年
・文部省専門学務局[編・発行] 高等学校外国語教授研究会講演集 1942年
・海軍兵学校[編・発行] 英語参考書 其ノ一(英語学習指針) 1944年
・米国陸軍省(戦争省)[編・発行]English-Japanese Phrase Card 1945年
刊行年月 2019年11月 定価22,000円 (本体20,000円) ISBN978-4-8433-5641-8
戦後英語教育の出発点となった敗戦・占領下のレアな語学教育文献7点。占領軍の日英対訳教材や沖縄のガリ版刷り英語教科書は文化史的にも貴重。
・語学教育研究所[編] 戦後の外国語 1947年 開拓社発行
・Information and Education Section, GHQ, AFPAC[編集・発行] Japanese Phrase Book for the Occupation Forces(占領軍用英和対訳表現集) 1946年
・磯尾哲夫[著] 英語教授の理論と実際 1948年 教育文化研究会発行
・<沖縄のガリ版刷り英語教科書>
英語のエホン/English-book 英語読本 初等学校用1・2/Let's Learn English 初等学校用
和歌山大学教員ロックバンド「先コウ花火」の大学祭ライブが11月24日に行われました。
1曲目はThe BeatlesのBack in the USSR.
軽快なロックンロールでスタートです。
今年は結成以来初めて女性ボーカルとジョイント。
伸びやかな歌声で、Aikoの「ロージー」、Judy and MaryのLover Soulと「散歩道」の3曲を熱唱。
彼女としては初のロック・ステージを楽しんでくれました。
今回のもう一つの試みはフュージョンへの挑戦。
DimensionのSe.le.neでは中串さんのサックスが冴え渡りました。
その中串さんはマルチなミュージシャン。
QueenのCrazy Thing Called Loveではウクレレで参戦。
最後を大いに盛り上げたのがMongol 800の「小さな恋のうた」
お祭は学生と一緒に盛り上げないと。
ああ楽しかった!
次は年末のクリスマス・ライブです。
高校生、教員、野党、国民のみなさんの頑張りで、2020年度入試への英語民間試験の導入を「延期」に追い込みました。
しかし、「延期」で済む問題ではなく、「中止」「廃止」しかありません。
そのために攻勢をかけましょう。
萩生田大臣の引責辞任は当然として、民間試験をゴリ押ししてきたのは首相官邸です。
2013年6月に安倍内閣が、第2期教育振興基本計画で「大学入試においても、高等学校
段階で育成される英語力を適切に評価するため、TOEFL等外部検定試験の一層の活用を
目指す」と閣議決定したことが問題です。
文科省だけに責任を転嫁せず、安倍内閣の責任を追及しましょう。
次に、利権構造と教育の民営化が問題です。
GTECをベネッセと共催する「一般財団法人 進学基準研究機構」(ベネッセ東京本部
内)の理事長は、元文部事務次官・佐藤禎一氏です。
その評議員は、中教審で入試改革答申を出した元慶應義塾大学塾長・安西祐一郎氏で
す。
ベネッセ「全国学力学習状況調査」(1回50億円)を5年連続で落札しています。
大学受験だけではなく、2019年度から実施される「高校生のための学びの基礎診断」も
民間業社にゆだねます。
子どもの学力内容が民間業社に筒抜けとなり、しかも1回1,700円~5,800円の料金を年2
~3回払う仕組みです。
これらも放置できません。
問題を「延期」と「文科省追及」に矮小化せず、根本から問い糺しましょう!