希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

2014-01-01から1年間の記事一覧

学びとライブとクリスマス

今年も終わろうとしています。 みなさん、お世話になりました。 来年も、よろしくお願いいたします。 ということで、最後はパーッといきましょう! 12月23日は、わが教員ロックバンド「先コウ花火」のクリスマス・ライブ・パーティーでした。 バンドの持ち歌…

協同英作文で、ことばの不思議さを知る

ゼミ生たちに<プロ教師を超える>授業実践課題を課しました(ちょっとオーバーですが)。 まずは、附属中学校の研究協議会で行われた現職教諭による協同学習を取り入れた授業を、そのまま再現する模擬授業を学生に行ってもらいます。 その上で、改善点を徹…

わくわく・ドキドキ・ハイレベル

英語の授業で協同学習を成功させる秘訣を一言でいえば、 「わくわく・ドキドキ・ハイレベル」 ではないでしょうか。 協同学習は、一人では到達できない課題を、仲間との密接な協力によって解決していく学習法です。 そのため、単なるグループワークとは異な…

合宿は究極の協同学習

江利川ゼミでは、新しいゼミ生が入ってくる4月当初、夏休み、秋(11月)の年3回、山の中の古民家などを借りて合宿を行っています。 冬(2月ないし3月)は卒業旅行で、韓国、台湾、北海道、城崎温泉などに行きます。 合宿では、一緒に買い出しをし、一緒…

この冬の講演・研究会(ご案内)

寒波襲来で、きっぱりと冬が来ましたね。 銀杏の木も箒(ほうき)になりました。 さて、私(江利川)が関係する当面(2014年12月~2015年3月)の講演・研究会について、備忘録を兼ねてご紹介します。 変更等もあり得ますので、最新の情報にご注意ください。 …

英語教育・達人セミナー in 和歌山(1月12日)

あの「英語教育・達人セミナー」が、和歌山英語教育研究会との共催で、和歌山大学で開催されます。 豪華4本立てです! どなたでもご参加いただけますので、ぜひ和歌山にお越し下さい。 日時:2015年1月12日(月・祝日) 9:50~16:25 場所 和歌山大学 観光…

ゼミの秋合宿

3連休の初日は、和歌山大学学園祭でのライブ。 2日目は、教え子の結婚式。 2人とも江利川ゼミの卒業生で教師。 結婚式はこちらまで幸せな気分になります。 いつまでもお幸せに! 結婚式がお開きになると、すぐにゼミ合宿に合流。 和歌山県有田川町清水の…

和歌山大学学園祭ライブ 2014

紀伊半島は快晴。 見事な青空の下、和歌山大学学園祭で、私たち教員ロックバンド「先コウ花火」がライブをやりました。 午前10時半からという早い時間帯ですが、思ったよりもお客さんが来てくれて、はっちゃけました。 (^_^ まずは、音響スタッフの音合わせ…

11月22日(土)和大祭でライブします!

今年もやります! 和歌山大学大学祭「和大祭」ライブ。 和歌山大学唯一の教員ロックバンドの火を消さないために、もっと熱くするために。 教員おやじバンド「先コウ花火」は、多忙化による練習不足をはねのけ、やります。 日時 11月22日(土) 午前10…

生徒の自治能力を高めて自律学習者を育てる

11月12日には大阪府内の中学校を訪問しました。 授業内容は中2女子のバレーボール。 実に多くのことを学びました。 体育館に整然と集まった生徒たち。 各班から出席報告を受け、指示を出し、準備体操をリードするのは、なんと3人の生徒たち。 生徒たち…

日本英語教育史学会 第250回 研究例会

【急告】大修館『英語教育』には例会の開催場所が,誤って「サテライトキャンパスひろしま」と記されていましたが、正しくは東京の拓殖大学文教キャンパス国際会館です。ご注意下さい。 日本英語教育史学会 第250回 研究例会のご案内 日 時: 2014年11月16日…

協同学習によるプロの英語授業から学ぼう

10月31日(金)に、和歌山大学教育学部附属中学校で年に1度の教育研究協議会が開催されました。 英語科の公開研究授業は、大野傑(すぐる)教諭による2年生の授業。 英語科のテーマは「仲間とともに考えることを通じて表現力を高める授業づくり」 大野先生…

英語が「嫌い・苦手」な子なんていない!

ゼミの学生たちは衝撃を受けたようでした。 そして、感動していました。 10月24日のゼミの冒頭で、広島市立早稲田中学校の胡子(えびす)美由紀先生の授業風景を見せたのです(「気づき合い学び合いで四技能を高める英語活動」ジャパンライム社のDVD)。 教…

12月6日 関西外大で英語教育シンポ(4人組 西の陣)

12月6日(土)に関西外国語大学で開催される英語教育シンポジウム(4人組 西の陣)の概要が発表されました。 お世話をいただく村上裕美先生(関西外国語大学短期大学部)に感謝申し上げ、以下に概要を紹介します。 *下の写真は、2014年6月29日の獨協大…

英語教師の卵に協同学習を

これから教壇に立つことになる学生たちには、ぜったいに協同学習で全員の学力と人間性を伸ばせる教師になってもらいたい。 その一念で、私は大学のすべての授業を協同学習のスタイルで行っています。 もちろんゼミもです。 10月からの後期のゼミでは、拙編著…

いま、なぜ協同学習なのか?

後期のゼミでは、英語科における協同学習の意義と取り入れ方を議論し、模擬授業等で実践的に検証していきます。 そのためには、前提として、学校教育の目的とは何か、外国語(英語)教育の目的とはなにか、どんな人間を育てるのか、教師にはいかなる資質が必…

柏木賀津子教授(大阪教育大)を招き小学校英語の研究会

2014年度第3回和歌山英語教育研究会のお知らせ 小学校外国語活動を3年生に下ろし、5年生からは教科とするといった政策が進められようとしています。 こうした動きを踏まえ、小学校英語教育研究の第一人者である大阪教育大学の柏木賀津子先生をお招きし、下…

この秋の講演・研究会計画

備忘録を兼ねて、この秋の私が関係する講演・ワークショップ、研究会等の予定をお知らせします。 多くの皆さんと交流できますことを願っております。 2014年秋の講演・研究会計画(江利川 春雄) ○ 10月8日(水)15:00~17:00 英語部会での講演とワークショ…

後期のゼミがスタート

10月3日(金)後期のゼミ(英語教育演習)が始まりました。 ゼミ長の大倉君がアイルランドに留学したこともあり、ちょっと寂しいですが、大学院生(現職教員)を含む新たな参加者もあり、元気よく頑張りましょう。 はじめに、全員に8月-9月期の取り組みにつ…

裁判で原発再稼働を止めよう

2014年5月21日、福井地裁は大飯原発3、4号機の運転差止を命ずる、歴史的な判決を下しました。 http://nonukes-kyoto.net/?p=659 判決では、原発から250km以内の住民が当事者だと述べています。 そうなると、私が住む和歌山県を含む近畿一円も、福井県の原発…

学習指導要領の「授業は英語で」は何が問題か(全文)

政府・文部科学省は、高校に続いて中学校でも英語の「授業は英語で行うことを基本とする」との方針を次期学習指導要領(2016年)に盛り込もうとしている。 個々の先生が授業を英語で行うかどうかは裁量権の範囲であり、基本的に自由であろう。 しかし、政府…

日本の外国語教育政策史点描(8)教育刷新委員会(2)

1948(昭和23)年11月19日の教育刷新委員会第11特別委員会第26回会合 には、臨時委員として市河三喜と斎藤勇(たけし)(ともに東京帝大名誉教授)が出席している。 次の第27回会合(同年12月3日)では、臨時委員が市河三喜、井出義行(東京外事専門学校)、石…

日本の外国語教育政策史点描(7)教育刷新委員会(1)

戦後の外国語教育政策を論ずるときに、最も重要なテーマが「学習指導要領」であることは言うまでもない。 当然、その方面の研究はおびただしく存在する。 しかし、戦後の民主主義的な教育政策を語る上で、どうしても検討しなければならない組織がある。 教育…

日本の外国語教育政策史点描(6)小学校の外国語教育(2)

小学校の外国語教育(2) 2000(平成12)年3月28日、経済団体連合会が政策提言「グローバル化時代の人材育成について」を発表した。 その後の学校教育に大きな影響を及ぼした提言で、英語教育に関しても、英語教員採用試験におけるTOEFL等外部検定試験の活用…

英語教育史学会広島例会(9月21日)

日本英語教育史学会 第249回 研究例会のご案内 日 時: 2014年9月21日(日)午後2時~5時 会 場: サテライトキャンパスひろしま 6階 604中講義室 (広島県民文化センター) 広島市中区大手町1-5-3 TEL: 082-251-3131 参 加 費: 無料 研究発表① 「戦後日本…

日本の外国語教育政策史点描(5)小学校の外国語教育(1)

「コミュニケーション重視」の外国語教育政策史を論じる上で、小学校への外国語教育の導入問題は重要な位置を占める。 小学校の外国語教育(1) 小学校外国語教育をめぐる問題は、今日に至るまで論争と実践的な試行錯誤が続く。 なので、私は自分の意見は極…

日本の外国語教育政策史点描(4)コミュニケーション重視へ(その2)

JETプログラムの光と影 1980年代の日本は好景気で、大幅な対米貿易黒字を計上していた。 他方、1981(昭和56)年にアメリカ大統領に就任したロナルド・レーガンは、軍事支出の大幅に増やした。 そのため米国は財政赤字が拡大し、貿易収支も赤字という「双子の…

日本の外国語教育政策史点描(3)コミュニケーション重視へ(その1)

コミュニケーション重視への転換 教育課程審議会答申(1987) 臨時教育審議会の最終答申(1987年8月)を受けて、文部省の教育課程審議会は1987(昭和62)年12月24日に「幼稚園、小学校、中学校及び高等学校の教育課程の基準の改善について」を文部大臣に答申…

日本の外国語教育政策史点描(2) 臨時教育審議会(その2)

臨時教育審議会の英語教育政策(1980年代) その2 ************** 【資料】「臨時教育審議会第二次答申」(1986年4月23日) (3)外国語教育の見直し 現在の外国語教育、とくに英語の教育は、長期間の学習にもかかわらず極めて非効率であり、改善する必要が…

日本の外国語教育政策史点描(1) 臨時教育審議会(その1)

「本書を書こうと考えた動機は、相次ぐ英語教育改革である」 これは鳥飼玖美子さんから贈られた新著『英語教育論争から考える』(みすず書房)の冒頭の一文である。 鳥飼さんは、「過去の論争や改革をもとに議論を進めるということが行われた形跡が全くない…