希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

欧州放射線リスク委員会2010年勧告

科学史を専攻する友人から、欧州放射線リスク委員会2010年勧告について多方面に知らせて欲しいとの依頼を受けました。

東京電力福島第一原発と周辺地域のきわめて深刻な事態を考えるとき、また、日本の政府、電力会社、マスコミの多くが正確な情報を流さない状況で、少しでも多くの人に知って欲しい情報です。

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欧州放射線リスク委員会は、2003年の勧告以降さらに明らかになった事実(チェルノブイリ原発事故の放射性降下物による住民の影響、劣化ウラン兵器の影響等)をもとに、新たに改訂された2010年報告(ECRR2010)を発表しました。

今回の東京電力福島第一原発事故に直面し、欧州放射線リスク委員会は急遽ECRR2010のネット公開に踏み切りました。(リンクフリーです。)
 http://www.euradcom.org/2003/order.htm

4月はじめにECR2010公開に気づき、ECRR2003日本語訳にかかわった人たちを中心に新たな協力者も得て、急遽日本語訳を作ることになりました。
まだ不完全ではありますが、事態の緊急性に鑑み、ネット公開しました。
日本語訳は以下のサイトからダウンロードできます。
 http://www.jca.apc.org/mihama/ecrr/ecrr2010_dl.htm

ICRPが影響がないと主張している放射線レベルで、多くのガンや白血病が出ている事実やECRRのリスクモデルが現時点でそれらを予想する最適モデルであることを納得できるのではないかと思います。

ECRR2003には46人の欧州の専門家(放射線生物学者放射線専門家、医学者、物理学者、 数学者、社会学者など)が参加していましたが、今回のECRR2010には65人の専門家が参加し、旧ソ連圏(ロシア、ベラルーシウクライナ)の17人に加え、アメリカ、日本からも専門家が参加し、欧州に限らず、世界的規模での体制になりつつあるような印象を持っています。

ECRR2003をお読みの皆さんは、ECRR2010の最初の数章と12章を読まれたら、新たに付け加わった事柄についての概略を得ることができると思います。

★なお、この記事に興味を持ちそうな学会やML、個人をお知りの方は、転送していただいてもかまいません。

★また、不完全なまま公開したので、順次更新されると思いますが、誤訳や誤字等、お気づきの点がありましたらご教示くだされば幸いです。