希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

生徒の自治能力を高めて自律学習者を育てる

11月12日には大阪府内の中学校を訪問しました。
授業内容は中2女子のバレーボール。

実に多くのことを学びました。

体育館に整然と集まった生徒たち。
各班から出席報告を受け、指示を出し、準備体操をリードするのは、なんと3人の生徒たち。
生徒たち自身で「自治的」に授業を運営し、教師は5メートルほど離れた場所から静かに見守るだけです。

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リードする生徒の指示に対して、集まった生徒たちは「はい!」と大きな声で返事をし、実にキビキビとよく動きます。

ホワイトボードには、その日の「目標」と「授業の流れ」が明示してあります。

目標は「チームの課題に気づき、改善方法を考えることができる。ボールコントロールに気をつけ、ラリーが続くゲームを目指す」

最大の特徴は、その日の練習メニューを生徒たちが話し合って決める「選択練習制」を取っていることです。

たとえば、
・基本的なパスがうまくいかない→ペア練習
・ボールがつながらない→2人レシーブ
などです。

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一定の練習が終わると、生徒たちは円陣を組み、自分たちの活動を振り返ることで、目標である「チームの課題に気づき、改善方法を考える」のです。

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もちろん、教師も適宜指導を行いますが、必要最小限で、大声を張り上げることもありません。

生徒たちが自分たちで話し合って課題を自覚し、自分たちで改善していく。

それらの底流にあるのは、自律学習者を育てたいという先生の明確な教育観であり、それを支えるのが協同学習です。

多くを学ばせて頂き、心から感謝した1日でした。

本日11月19日は、大阪の熊取中学校にお邪魔します。

ゼミ報告は院生で参加してくれている中西さんが作ってくれました。

一種の反転学習である「LTD話し合い学習法」を取り入れたために、短い時間ながら、きわめて活発な議論になりました。

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