希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

日本英語教育史学会 第250回 研究例会

【急告】大修館『英語教育』には例会の開催場所が,誤って「サテライトキャンパスひろしま」と記されていましたが、正しくは東京の拓殖大学文教キャンパス国際会館です。ご注意下さい。

日本英語教育史学会 第250回 研究例会のご案内

日  時: 2014年11月16日(日)午後2時~5時
会  場: 拓殖大学 文京キャンパス国際教育会館(F館)(東京都文京区大塚1-7-1)
3階 F301号室
参 加 費: 無料

研究発表 
東京高等師範学校文科兼修体操専修科のこと
竹中 龍範(香川大学
【概要】
旧学制下に東京高等師範学校体操専修科が体操教員の養成を担う中心的機関であったことは言うまでもない。明治19年4月、旧来の附属体操伝習所を廃して体操専修科を置いて、以後纏綿として体操教員養成に当り、戦後の東京教育大学体育学部を経て、今日の筑波大学体育専門学群に至っている。この東京高師体操専修科において、体操のみならず、修身、若しくは文科科目を兼修せしめた時期があった。
このうち文科兼修は、主専修の体操に加えて国語・漢文または英語または地理・歴史のいずれかを兼修させるもので、都合4回開設された。その経緯は、

従来の体操は、主として生徒の身体のみに関係し、体操を通して精神教育をなすが如きは到底望むべくもなく、加之体操教師としての学力程度が低かつたので、生徒からも社会からも幾分軽視される状態にあつたのを遺憾とし体操を通して精神教育をもなし、且精神教育を体育運動を通して価値あらしめる意味を以て、まづ体操科に修身を兼修せしめ[明治35年9月]、更に国語・漢文又は英語又は地理・歴史の一つを兼修せしめた[明治39年4月]ものである。修業年限は3箇年[第2回設置分より4ヶ年]に延長せられた

と、東京文理科大學『創立六十年 東京文理科大學・東京高等師範學校』(昭和6)に記されるとおりである。
本発表では、この文科兼修体操専修科のうち英語兼修の課程について、そのカリキュラムを明らかにするとともに、学生によるレポートと思われる報告書を分析して、限られた調査範囲のものであるが、その内容を明らかにしたい。


資料紹介 
修猷館高校所蔵の戦前期英語教科書選定資料について
安部 規子(久留米工業高等専門学校
【概要】
今回紹介する福岡県立修猷館高校所蔵資料は、明治40年代から昭和2年までの「普通会議録」に記された知事宛ての教科用図書変更申請書の控えである。そこに記された新旧教科書名と変更の理由から、当時使用されていた教科書が特定され、また現場教師がそれらの教科書に対してどのような感想を持ったか、さらには彼らが求めるよい教科書とはどのようなものであったかが読み取れる。


<問合せ先> 日本英語教育史学会例会担当(保坂芳男)
メール: yhosaka@ner.takushoku-u.ac.jp   
TEL&FAX: 042-665-3225(拓殖大学・保坂研究室)

◆研究例会はどなたでもご参加いただけます(予約不要)。
◆例会終了後に懇親会を行います。こちらにも奮ってご参加ください。