希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

協同的な体育の授業

11月18日は、大阪の熊取中学校を訪問してきました。

昨年の訪問から、ちょど1年。

協同学習を核とした「学びの共同体」を実践して9年目。

生徒たちは落ち着き、学力も驚異的に伸びています。

今回の授業は体育。

「アルティメット」というフリスビーのようなディスクを使ったチーム競技です。

・学習内容: アルティメット特有の4つのフォーメーションを考察する

・ねらい: スタックを作ったところからフォーメーションを試合の中で使う
        
・授業の流れ: 

①ラジオ体操【グループ】 

②本時の課題確認【一斉】

③グループ課題確認、練習【グループ】

④練習内容共有【一斉】
             
⑤試合【グループ・一斉】 
       
⑥本時の確認【一斉】

いま時間がないので、詳細はご報告できませんが、素晴らしい、というより「驚異的な」授業でした。

私が学んだことは以下の5点です(研究協議会でミニ講演した内容)。

1. 生徒の自主性=自ら考えることの尊重
 自分たちで話し合いながらフォーメーションや練習内容を考えます。

イメージ 1

2. 教師の必要最小限の指示・説明。小さめの声→集中が高まる。
 生徒たちに自主的に考えさせるために、先生の指示は必要最小限で、しかも小声で行うので、生徒は集中して聴きます。

3. 精緻な生徒観察と適切な声がけ。しかるべきときに、しかるべき生徒に声がけしていました。
 一斉型講義では一人ひとりの生徒がよく見えないのですが、協同学習ではよく見え、よく聞こえます。

4. ミスを非難しない生徒たち。ポジティブな人間関係。
 ディスクを落としても、パスがうまくいかなくても、決して否定的な言葉を発しませんでした。

5. 省察的な学び。
 試合後、自分を振り返って、こんなつぶやきをしていました。
 「まだまだあかんな」「ディスクを落としすぎや」「もっと左右に動かなあかんな」・・・

実際に授業を観ないと、この感動はわかりません。

ぜひ、近隣の(遠方も)中学校はこの学校の授業を見学をすべきです。

忙しいですが、授業改革を学校経営の最高位に置くべきです。

そう思いました。