希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

放射能から子どもを守る(東京のお母さんたちの自主測定)

静岡のお茶から、ついに放射性セシウムが検出されてしまいました。
放射能の危険はジワジワと全国に広がりつつあります。

ウランの核分裂で生成するセシウム137は、体内に取り込まれてから体外に排出されるまでの100日から200日にわたってベータ線ガンマ線を放射し、体内被曝の原因となるため非常に危険です。

東京でも一部の地域で高濃度の放射能が検出されています。
早急な対策が急務です。

「江東こども守る会」は、5月21日から25日まで3日間、神戸大学大学院教授の山内知也氏(放射線物理、放射線計測)に依頼して、江東区内の複数箇所において、放射線量計測および土壌調査を実施しました。(山内氏はこのブログでも紹介した僕の友人で、御用学者の対極にある原子力専門家です。)

その結果、江東区新砂にある東京都管轄の汚泥処理施設「東部スラッジプラント」周辺では、とりわけ高い放射線量を確認し、また東部スラッジプラントを中心に荒川に沿って北上するエリアでも高い放射線量を確認しました。

この結果を踏まえ、「江東こども守る会」は、6月7日に東京都知事および江東区長に対して以下の要請を行いました。

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(1) 東京都と江東区は、東部スラッジプラントの施設内処理過程においての精査とそれにより判明した問題の改善を、一刻も早く行うこと。

(2) 東京都と江東区は、計測地点をメッシュ状や2.8km四方に区切ったうち代表地点のみの計測ではなく、全ての学校・幼稚園・保育園それに類似する施設と全ての公園・グラウンドの放射線量を、子どもの生活目線の0m(地面直上)、0.5m、1mで計測し、これを区民に公開すること。
 また、法律で定められている年間1mSV(0.11μSV/h ※自然被ばくを含めると0.16μSV/h)を超える場所については土壌調査でさらなる精査をし、放射性物質の核種とその濃度を都民に公開すること。

(3) 東京都と江東区は、年間1mSV(0.11μSV/h ※自然被ばくを含めると0.16μSV/h)を超える線量が測定された場所に対して、ただちに土壌の改良と除染作業を行うこと。
 ただし、東部スラッジプラントの問題改善を前提とする。

(4) 東京都と江東区は、年間1mSV(0.11μSV/h ※自然被ばくを含めると0.16μSV/h)の基準を超えなかった場所においても通常基準(自然被ばく)の0.05μSV/hを超えた場合は、限りなく0.05μSV/hに近づけ、子ども達にこれ以上の被ばくをさせないために、都民・区民と協力して積極的な除染作業を行うこと。ただし、東部スラッジプラントの問題改善を前提とする。

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以上の経緯や要望書、資料等は、上記「江東こども守る会」サイトの中の「緊急要望書および調査報告書」のコーナーにPDFファイルで掲載されています。

また、「福島老朽原発を考える会(フクロウの会)」のサイトにも、詳しく掲載されています。
   http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/06/post-9383.html

そして、「江東こども守る会」の活動を含め、都の2つのスラッジプラント(下水処理施設)での高濃度放射能汚染の問題などを取材した'フジTV「とくダネ」が、6月8日、特集を行い、その模様が動画サイト(Dailiy motion)に掲載されています。これは必見です。


(情報提供:メルマガ金原No.331)