希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

教員採用試験合格体験記(2)

江利川ゼミ4回生 永田眞也

<1次試験当日>

[面接試験] 3~6人1組での集団面接。面接時間約25分。

 当日は、クラスの3~4割が空席となっていた。書類等で出願だけしておいて、試験日が重なった他の地域の受験を取る人が毎年いるようである。
 入室時、評価カードを面接官に渡した。私は最後だったので、カードを渡して挨拶したあと、ドアを静かに閉めた。面接官は2名で、片方(男性)が指示や質問をし、もう片方(女性)は被験者の発言や様子などを記録することに徹していた。
 着席の指示のあと、番号の若い受験者から順に、受験番号と名前を言った後、1分間の自己紹介を兼ねた自己PRを述べていった。私の順になるまでに、2,3名が明らかに1分オーバーの自己PRをしていた。
 そこで私は、大学に於いて英語教育・協同学習について学んできたことや、高校時代の部活から、全員で一つのものを作り上げること・協力することの大切さを学んだことなどを述べ、50秒ほどで自己PRを済ませた。
 次に、面接官側からの質問があり、それに対しては「考えのまとまった方からお願いします。」という指示があり、挙手による早い者勝ち、ということだった。私が受けた質問の項目は次の4つ…だったが、記憶が欠落していて3つまでしか思い出せない。もうトシだ。

1.教師の魅力は何か。
2.理想の教師像はどのようなものか。
3.今の教育問題の中で、何が特に問題だと思うか。
4.(                      )

 私はここで、1と2の質問に対して最初に、3に対して3番目に、4に対して5番目に回答。それぞれの質問に対する回答は25~35秒ほど。3と4で挙手を遅らせたのは、ここだけの話、ワザと。1と2では「考えのまとまった方からどうぞ」という指示を聞いてから2秒はほかの人が挙手しないかを待ち、3秒経ったら率先して挙手して回答する。それで他の受験者をその気にさせて、3と4で順番を後にするという私なりの「配慮」をアピールしてみたつもり。伝わったのかどうかは定かではないが、合格したから良しとしよう(笑)。
 これらの質問に対する回答は受験者の個性に任せるが、経験から言える重要なことは3つ。

 1つめは、これは絶対貫きたいという「芯」の部分をハッキリさせておくこと。これが不安定だと、面接官に簡単に崩されてしまう。

 2つめは、自分の中で、質問に対する引き出しを多く作り、かつそれをネットワークとして関連付けておくこと。「このことはこっちの質問にも使えそうだ」といった使いまわしがある程度可能になる。

 3つめは、端的に言えば態度である。面接は受け答えも重要だが、印象はもっと重要である。目が泳いだり、背筋が曲がっていたり、声が小さかったり、顔が引きつっていたりするのはマイナス。自然な笑顔で受け答えができるようになれば、面接官側の印象に残る。
 ものすごく偉そうなことを言っているけど、経験上、当然ながら受け答えに覇気が無かった同じグループの男の子は、1次試験で落ちていたのよ?

[筆答試験] マークシート5択問題の形式。一応記述しておくけど過去問の最初のところに
ある「傾向と対策」の欄を参考にした方が確実かも知れない、よ?

(1)一般教養
 私が受けた平成22年度採用の1次試験は、一般教養が40問中30問を占めていた。これは採用試験史上初だと思われる。過去問を見ればわかると思うが、主要5教科はもちろん、実技教科までしっかり入っている。
 基本的に高校卒業程度の知識があれば、解答を絞り込めない問題はほぼ無いが、音楽史や社会の文化歴史等、全く記憶にない問題が地雷のように出ることがある。そういうときは、20%の確率に賭けるしかない。カンだよカン。

(2)教職教養
 私が受けた試験はこれが10問しかなかったので、勉強量の割に何だかなぁ…と正直、肩透かしを喰らった。それでも教職教養は本当に1からのスタートだったので、やって損はない。とりあえず教師になるのだから基本的な教育法規、学習指導要領の変遷とその背景、該当受験地域の特色等は押さえておいた方がいいと思われる。

(3)筆記試験にあたって
 時間には当然ながら余裕を持っていく。試験開始の10分ほど前から説明や問題配布が始まったはずなので、30分前には会場に入っておきたい。前述の面接試験でもそうだが、試験会場の入り口をくぐった瞬間から試験は始まっていると思うべし。
 試験教室に入ったら、黒板に貼ってある注意書きをよく読んで、正しい席につく(私は席の見方を間違えて1列ずれた席に座ってしまってた。ハズカシー!)。
 試験官が説明を行っている間、私はそれをよく聞きながら、試験官に微笑みを向けていた。

 試験時間は120分だったと思う。問題数は40問なので、単純計算で1問3分で解くことになるが、当然すぐわかる問題と時間のかかる問題が出る。確実に得点になると思った問題は正確に素早く解き、マークシートに丁寧に記入。わからない問題や時間がかかりそうだと思った問題はいったん飛ばして次の問題にまわる。
 この時に気をつけなければならないのがマークミスだ。飛ばしたことを忘れて、続けてマークしてしまうことが多い。一通り最後まで見たあとは、試験終了の約10分前まで残りの問題を解くことに集中する。
 私の場合は試験終了の20分前にはすべての問題の解答を記入し終えて、見直しに取り掛かった。その際、問題用紙の方の、わからなかった問題や、自信のない問題の番号に斜線を入れておいた。
 すべての問題を記入し終わったら、マークミスがないか、試験問題用紙への自己解答の記入とマークシートへの記入が一致しているかを確認する。これは、試験終了後、問題用紙が手元に残るため、翌日~数日以内にでも答え合わせができるように、である。

 試験時間が終了した後も、会場の門を出るまでは油断しない。通路に立っている試験官の方に、ひとこと「ありがとうございました」と一礼するだけでも、心持ちが変わってくる。
 門を出たら、寄り道せずに家に帰ることをお勧めする。遊ぶならいったん家に帰ってからにしよう。喫煙者の人は家に帰るまで吸わない方がいい。絶対そのほうがいい。というか禁煙してくれ。

(つづく)