7.14の4人組講演集会「英語教育、迫り来る破綻―みんなで考え、行動しよう」に関しては、さまざまな人が紹介・コメントされています。感謝です。
私が日ごろ思っていてもブログ上では公然とは口にしない(あえて封印してきた)ことも、率直におっしゃっています。
最後の「しかし英語教育界にも徹底的な改革が必要」の部分です。
最後の「しかし英語教育界にも徹底的な改革が必要」の部分です。
私自身は、英語教員の集まりなどで教師自身の授業改革の必要性について、「協同学習への転換」を軸に、たえず提案してきました。
教職員組合系の講演会などでは、「組合員こそが授業改革の先頭に立たない限り、組合はジリ貧になる」と訴え続けています。
なので、私は柳瀬先生の今回の主張に大いに共感しています。
英語の先生たちが一斉講義型の退屈な授業スタイルをやめ、生徒・学生たちが自分と仲間の学びを最大限に高め・深める協同的な学びに転換するなどして本気で授業改革をしないと、世論の支持は得られないと考えています。
(ただし、一斉型講義を全面否定しているわけではありません。要は、生徒たちの学びを活性化し、最大限に高めればよいのです。)
(ただし、一斉型講義を全面否定しているわけではありません。要は、生徒たちの学びを活性化し、最大限に高めればよいのです。)
ですから、7.14講演会のプレゼンでは、あえて一斉解説型の退屈な英語授業の様子と生徒同士の協同学習による生き生きとした授業の様子とを画像で対比したのでした。
現状のままでよい、などという甘えた姿勢では、「大学入試にTOEFL」などの暴論が繰り返されるだけです。
なので、これからも時間が許す限り、英語授業改善について講演し、各地の学校や研究会を回ります。
「協同学習を取り入れた英語授業改善」(江利川 春雄・和歌山大学)
「英語学習者の心理と協同学習」(伏野久美子・立教大学)
ワークショップ「使ってみよう、協同学習」(伏野久美子)
江利川の講演「協同学習を取り入れた英語授業改善」の要旨は以下の通りです。
協同学習(協働学習;cooperative / collaborative learning)とは、「少人数集団で自分と仲間の学びを最大限に高め合い、全員の学力と人間関係力を育て合う教育の原理と方法」です(江利川春雄編著『協同学習を取り入れた英語授業のすすめ』6頁)。
教師による一方的な解説中心の授業ではなく、単なるグループ活動でもなく、もっと授業を活性化させ、できる子も苦手な子も全員の学びを深めるにはどうすればよいか。
そうした試行錯誤の結晶が協同学習であり、日本でもめざましい成果を上げつつあります。
そうした試行錯誤の結晶が協同学習であり、日本でもめざましい成果を上げつつあります。
1. いじめ・問題行動・不登校が減少:学び合いで人間関係が良くなり、教室が「自分の居場所」になります。
2. 全員の学力が向上:目先の点数だけでなく、学びの楽しさを知ることで生涯にわたって学びを楽しむ自律学習者が育ちます。
3. 教師のストレスが減少:生徒・同僚との人間関係が向上し、学校が楽しくなります。
講演では、協同学習をよく知らない人にも理解いただけるよう、各地の学校での実践例を紹介しながら、次のようなお話をします。
① 協同学習の必要性:子どもたちの学びをめぐる環境の変化に伴った協同的で双方向的な質の高い学びの必要性。
② 協同学習の基本原理:(1)仲間との建設的な支え合い、(2)「背伸びとジャンプ」の高い課題設定、(3)役割分担による個人責任の明確化、(4)個人・グループによる振り返り、(5)学習集団の作り方、(6)教師の役割、(7)教師の同僚性など。
③ 協同学習による英語授業大改造ビフォー・アフター:生徒の学びの変容、成績の向上、問題行動の減少など。
④ 授業に協同学習を取り入れるための留意点:目標・課題・評価基準の明確化、一斉授業と協同学習の組み合わせ方、高めの課題設定の必要性など。
⑤ 協同学習から「学びの共同体」へ:子ども・教師・保護者地域住民が共に成長する新たな学校文化の構築へ。
ぜひご参加ください。