希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

学習班づくりのためのFFS理論

協同学習を成功させるには、学習班をどう作るか、また、どう育てるか(チームビルディング)がとても大切です。

では、どのような人と人とを組み合わせればよいのか。

そうした関心から、5月26日のゼミでは、経営学で注目されているFFS理論(Five Factors and Stress)を用いた性格的特性の計測を行い、それぞれの因子や個性の特徴について学びました。

FFS(Five Factors & Stress)理論とは、人が意識的、無意識的に考え、行動するパターンを5因子で計量し、その人が保有している潜在的な強みを客観的に測る理論です。

今回のゼミでは、小林恵智監修『[入門] チームビルディング:1+1が2以上になる最強組織の作り方』(PHPビジネス新書 2006)掲載の25項目からなるアンケートを使って、エリゼミのメンバーの個性を分析しました。

こうした計測に基づいた「異なる個性」をうまく組み合わせ、相互に補完し合う集団を作り上げると、学習や仕事の効率が高まることがわかっています。

イメージ 1

もちろん、人間の特性を単純な数値で判断することはできませんが、ひとつの目安にはなると思います。

詳細は以下をご覧ください。
http://www.human-logic.jp/about/index.php


5つの因子とは以下の通りです。

A 凝縮因子(Condensable Factor)
自らを固定・強化しようとする力の源泉となる因子
いわゆる「価値観の強さ」に関係し、自分自身を維持・発展させるために、自分が今までの経験上、獲得してきた基準に合っているものを凝縮し、合っていないものを廃絶してしまう機能を持つ因子
道徳的、規範的、指導的な行動の基

B 受容因子(Receptive Factor)
自らの外部の状況を受け入れようとする力の源泉となる因子
「外部の状況」に対して無条件に受け入れる機能を持つ因子
養育的、肯定的、柔軟な行動の基

C 弁別因子(Discriminative Factor)
自らの内部・外部の状況を相反分別しようとする力の源泉となる因子
自分の置かれた状況や自分の心理状態などに関して、それが適性であるか不適正であるかを二分的に弁別する機能を持つ因子
論理的、分析的、デジタル的な行動の基

D 拡散因子(Diffusible Factor)
自らを拡張・発展させようとする力の源泉となる因子
自分の現在の内的・外的な状態を維持しようとする時に、外部のエネルギーを積極的に利用し、自らのものとしてしまう方法を選択させる機能を持つ因子
活動的、創造的、自主的な行動の基

E 保全因子(Preservative Factor)
自らを保全・維持しようとする力の源泉となる因子
自分の現在の内的・外的な状態を維持しようとする時に、その際に自分のエネルギーの損失が最も少なくてすむ方法を選択させる機能を持つ因子
協調的、順応的、几帳面な行動の基

ゼミ参加者では、全員が B 受容因子(Receptive Factor)の数値が高いのが特徴でした。
やはり、教師希望者が集まっているからでしょう。

ちなみに、私はCとDが同じ点数で上位を占め、次いでBでした。

「情勢を客観的に分析し、仲間を束ねて理想に向かって突き進むが、細部はけっこうアバウト・・・」

いやあ、驚くほど自分の特性を言い当てていると思いました。

当日のゼミの内容については、以下の報告をご覧ください。

大変な反響でしたので、次回もこの続きをやります。

イメージ 2

イメージ 3