希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

和歌山大学は教員就職率全国1位!

7月に入り、教員採用試験がスタートしました。

遅くまで残って勉強している学生たちの後ろ姿を見ると、ぜひ合格してほしいと心から願わずにはいられません。

さて、私が務める和歌山大学教育学部は「教員就職率全国1位」です。

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学生も教員も、真面目に一生懸命がんばった結果だと申し上げておきましょう。

でも、心配事があります。

近年は、せっかく教員になっても、数年以内に辞めてしまう卒業生が少なくないのです。

それほどまでに、教育現場は過酷です。

日本の教員はOECD加盟国の中で、最も勤務時間が長いのです。

世界の教員の待遇が向上しているのに、日本は過去10年で賃金が6%も下げられました。

2015年5月、財務省は公立小中学校の教職員数を2024年度までに約4万2千人(全体の6%)削減し、国庫負担を780億円減額できるとの試算をまとめ、財政制度等審議会財務大臣の諮問機関)に提示しました。

児童生徒数の減少分を機械的に適用して、教職員定数を削減すべきだとする内容です。

35人学級の推進を含め、どうして教育環境の質的改善に取り組もうとしないのでしょうか。

財政難だと言いますが、2016年度政府予算で、在日米軍再編経費などを含む防衛費(軍事費)は5兆541億円と740億円(1.5%)も増え、4年連続で増加しています。

一方、文科省予算は5兆3,216億円と133億円(0.3%)のマイナスで、うち文教関係は4兆557億円(90億円=0.2%減)にされました。

いったいこの国の未来を、どこへ持って行こうというのでしょうか。

このままでは、教員になってもどんどん辞めてしまうのではないかと心配です。

と心配し、改善を要求しつつ、頑張って力量のある英語教員を育てていきたいと思います。

平田君のゼミ報告をご覧ください。

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