和歌山県の魅力は、観光地・白浜より南の「紀南地方」にある、と僕は思う。
こんな景色を毎日見ていたら、「ちょっと行ってくるで」という感覚でアメリカまで渡ってしまうはずだ。
かつては東京に行くのに船で何日もかかったから、東京行きもアメリカ行きもたいして変わらない感覚ではなかったか。
和歌山県が日本一の移民県であるのもわかる。
特急電車は1日に数本しかないから、説明会の前後に時間がゆったりと余る。
この「ゆったり感」が、街中を歩いてみろと誘惑する。
この「ゆったり感」が、街中を歩いてみろと誘惑する。
次いで、隣接する佐藤春夫記念館へ。東京の自宅を故郷の新宮に移築したもの。
肉筆原稿というのは、不思議な魅力がある。
ワープロ文化が失わせてしまったペンの文化だ。
次には、電子ブックが紙の書籍を追いやるのだろうか。
(ブログ文化も共犯関係か・・・ちょっと複雑な気分・・・)
その展望台の上に、あった!
神の磐座(いわくら)と崇拝されてきた巨石「ゴトビキ岩」だ。
「ゴトビキ」とは熊野地方の方言で「ひきがえる」のこと。
言われてみると、強大な「ひきがえる」にも見える。
で、見終わったので「ひきがえす」。(^_^
言われてみると、強大な「ひきがえる」にも見える。
で、見終わったので「ひきがえす」。(^_^
帰りの坂は怖いほど急だ。
毎年2月6日の「お燈まつり」には、白装束に松明をもった男たちが、この石段を一斉に駆け下りる。
夜にこの石段を駆け下りる!? ほとんど自殺行為に思えてくる。
これが信仰の力なのか。
毎年2月6日の「お燈まつり」には、白装束に松明をもった男たちが、この石段を一斉に駆け下りる。
夜にこの石段を駆け下りる!? ほとんど自殺行為に思えてくる。
これが信仰の力なのか。
今年の異常な残暑の中、限界というほど歩いた。
ようやく新宮駅が見えてきたところで、「大逆事件の犠牲者顕彰碑」が目に飛びこんできた。
明治の天皇制国家が犯した史上まれに見る国家犯罪=冤罪事件である「大逆事件」(1910)。
ようやく新宮駅が見えてきたところで、「大逆事件の犠牲者顕彰碑」が目に飛びこんできた。
明治の天皇制国家が犯した史上まれに見る国家犯罪=冤罪事件である「大逆事件」(1910)。
碑の文書を読んだら、疲れが一気に抜けた。
疲れている場合じゃない、という感覚だ。
疲れている場合じゃない、という感覚だ。
新宮の庶民に「ドクトル(毒とる)」と親しまれた大石誠之助ら、熊野地方の6人の犠牲者を追悼し、顕彰している。
「新宮に呼び寄せられたな」と思いながら、帰路についた。
【ご紹介】
佐藤春夫記念館館長の辻本雄一氏が執筆した『「大逆事件」と熊野新宮の犠牲者たち』(和歌山県人権研究所、2010年刊、300円)はお勧めです。
お問い合わせは、和歌山県人権研究所へ。
jinken@fine.ocn.ne.jp
佐藤春夫記念館館長の辻本雄一氏が執筆した『「大逆事件」と熊野新宮の犠牲者たち』(和歌山県人権研究所、2010年刊、300円)はお勧めです。
お問い合わせは、和歌山県人権研究所へ。
jinken@fine.ocn.ne.jp