希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

協同学習の講演&ワークショップ in 鹿児島

熱くて温かい鹿児島の人たち。
そんな先生や学生さんたちとの楽しい出会いが鹿児島市でありました。

2014年の初研究会は、1月11日(土)の鹿児島純心女子短期大学における「第21回鹿児島TEFL研究会研究発表大会」から幕開けしました。

研究テーマは、「協同学習が開く学びの新世界」です。

私の講演・ワークショップは「意欲と学力を高める協同学習のすすめ」(100分)でした。

高校の英語教員を中心に、鹿児島のみならず、近県や遠くは京都などから約130人が参加されました。
参加されたみなさんがたいへん熱心に聴いて下さり、ワークショップでは笑顔と拍手喝采の連続でした。

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講演に先だって、研究会メンバーが2013年度の研究課題である「協同学習を目指して生徒同士の学び合いを英語の授業へ取り入れた指導」の研究発表を行いました。

高校の英語授業に協同学習を取り入れる実践は、まだ多いとはいえません。
しかし、鹿児島の先生たちは、昨年から協同学習を取り入れ、確実に成果を上げています。

ある高校では2学期に始めて協同学習を取り入れました。
生徒アンケートでは、「グループでの授業は効果的だと思う」との問いに対して、事前アンケート(2013年9月、233人)では、「そう思う」が28%、「ややそう思う」が49%、「あまりそう思わない」が21%、「思わない」が2%でした。

それに対して、事後アンケート(2013年12月、242人)では、「そう思う」が42%、「ややそう思う」が48%と全体の9割が肯定的になったのに対して、「あまりそう思わない」が9%、「思わない」が1%と半減しました。

また、「グループ内で十分協力できた」との問いに対しては、事前アンケートでは「ややそう思う」(26%)と「思わない」(4%)を合わせた30%の生徒が、グループ内での協力関係に懐疑的でした。

ところが、事後アンケートでは「あまり思わない」が6%、「思わない」2%に激減しました。

協同学習を始めてわずか3カ月後の結果ですが、それでも協同学習に対する生徒の肯定感は大幅に高まっているようです。

なお、成績に関しては、「定期考査レベルにおいては、協同学習への取組が英語力向上に繋がったという結果が得られた」とのことです。
ただし、まだ3カ月の実践ですので「対外模試での成績向上にはもう少し時間がかかりそうだ」との報告でした。

研究会に集まる先生たちは、本当に温かく接して下さいました。

鹿児島空港までお出迎え下さり、雄大桜島を眺めながら海辺をドライブ。
やがて国内屈指の名湯である指宿(いぶすき)温泉へ。

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案内されたのは「砂蒸し温泉」(砂風呂)です。
まさにサプライズ!

子どものころ、海辺で友だちから砂を掛けてもらいましたが、ここではスタッフがスコップでたっぷり砂を掛けてくれます。

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すると、じわーっと温まり、やがて「ドクッ、ドクッ」と血管の脈動が感じられます。
温かくて、気持ちよくて、大地に抱かれて直接エネルギーをもらっているような感覚です。
デトックス効果も抜群で、ダイエットにもいいとか。(^_^;)

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知覧の特攻平和会館では、平和の尊さを改めて強く感じました。

夜は研究会のメンバーの先生方と美味しい芋焼酎の飲み方を教わりながら、いただきました。
「薩摩維新」という鹿児島限定の焼酎は、昔ながらの味を大切にしており、本当にうまかったです!
(写真は、研究会代表で鹿児島純心短大教授の有馬義秀先生と)

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宿泊した城山観光ホテルの露天風呂からは、雄大桜島が目の前に広がります。

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城山といえば、西南戦争において西郷隆盛が最期を迎えた洞窟があるところです。
その洞窟にも、ご案内いただきました。
西郷どんは鹿児島県民のヒーローなのです。

幕末に島津斉彬が西洋の科学技術をいち早く取り入れた近代工場の尚古集成館や、島津久光の別邸である仙巌園(せんがんえん)も見学しました。

桜島大根の重さにも驚き!

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鹿児島は最高でした。

後ろ髪を引かれつつ、11日の夜の飛行機で東京へ。
翌日は日本英語教育史学会の論文審査委員会、理事会、研究例会、懇親会(新年会)でした。

ふー。

体はキツかったですが、心は大満足です。
富士山もきれいだったし。

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温かく迎えてくださった鹿児島の皆さんに、厚く御礼申し上げます。
<m(_ _)m>