こうした一連の英語教育政策は、学校の英語教育を向上させ、子どもたちを幸せにするのでしょうか。
答えは「No!」です。
そう考えた私たちは、2013年6月に『英語教育、迫り来る破綻』(ひつじ書房)を緊急出版しました。
しかし、その後も安倍内閣の「第2期教育振興基本計画」(2013年6月14日閣議決定)や、文部科学省の「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」(同12月13日)などの英語教育政策が、次々に打ち出されました。
そのため私たちは、これらに対する批判的な検討を続けるとともに、学校英語教育の進むべき方向を提示する必要があると考えました。
こうした経緯から、私たちはブックレットの第2弾として、本書『学校英語教育は何のため?』を刊行しました。
タイトルのとおり、今回は英語科教育の「目的論」に焦点を当てました
タイトルのとおり、今回は英語科教育の「目的論」に焦点を当てました
まぜでしょうか?
私たちが痛感したのは、実用英語が使える「グローバル人材」というエリート育成に特化した現在の英語教育政策が、機会均等を原則とする学校英語教育の本来の目的とは根本的に相容れないということでした。
人間でいえば背骨、建物でいえば土台という根本が歪んでいるのです。
これを是正しないで個々の政策をモグラたたきのように批判するだけでは、本質的な改善は期待できないのではないか。私たちはそう考えるに至りました。
内容は以下の通りです。
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学校の外国語教育は何を目指すべきなのか(江利川 春雄)
英語学習・教育の目的(斎藤兆史)
なんで英語の勉強すんの? ー会津若松の中学校を訪問して―(鳥飼玖美子)
対談「悲しき英語教育」(内田樹・鳥飼玖美子)
4人組7.14講演会での「目的論」に関する白熱の議論(4人)
4人組獅子奮迅録(その2)
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書店での発売は来週になりそうですが、木曜日には印刷が終わる予定なので、うまく行けば、私が関係する次の講演会の会場で販売できそうです。
4人全員が講演し、討論します。
みなさんとお目にかかれますことを楽しみにしております。
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