希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

10月24日、隠岐島で「授業づくりと学級づくり」

10月24日(日)、島根県隠岐島で「授業づくりと学級づくり」を語り合います。

どなたも、またオンライン(Zoom)でも無料で参加できます。

「主体的・対話的で深い学び」を盛り込んだ新学習指導要領が施行され、しかもコロナ対応とGIGAスクール構想による1人1台のパソコン。一度に3つの大波が来ました。

授業のあり方が大きく変わります。

しかし、教員には様々な負担が重くのしかかり、新しい時代に対応した授業づくり・学級づくりに取り組む余裕すらないかもしれません。

愚痴を言い、弱音を吐きつつも、子どもたちの瞳が輝く授業・学級に向けて、どこから手をつけるか、どんな点に気をつけるかを一緒に考えませんか。

私は各地をめぐり、小中高校の数千の教室・全教科の授業を観てきました。そこには驚くような工夫、感動的な学びがありました。

それらを紹介し、また実践報告を交えながら、子どもたちが主体的・協同的に学び合い、教室と学校が快適な居場所となる授業・学級づくりについて考えていきます。

ぜひ、隠岐島で、またオンラインでお目に掛かりましょう。

 

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鳥飼玖美子著『なんで英語、勉強すんの?』岩波書店

鳥飼玖美子さんから新著『なんで英語、勉強すんの?』(岩波書店)を頂きました。
英語は難しい、好きじゃないと思っている中学生にそっと寄り添い、温かく応援しています。

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悩める子どもたちにどう接し、アドバイスするかのヒントに満ちていますので、親や教師が読んでも面白い本です。
「外国語なのですから誰もが苦闘します。でも自分の性格を大事にしつつコントロールすることを英語学習で練習してみたらどうでしょうか。私がやってきたように」。
鳥飼さん自身が、英語学習を通じて人見知りを乗りこえてきたそうです(実は今も人見知りだそうですが)。
そんな体験談もたっぷりで、楽しい本です。

7月10日(土)和歌山英語教育研究会の例会

2021年度第1回和歌山英語教育研究会のお知らせ

標記研究会を、Zoomでのオンラインで行います。
関心のある方ならどなたでもご参加いただけますが、事前申し込み(下記参照)が必要です。

【お申し込み】
・下記フォームより、なるべく7/8(木)までにお申し込みください。
・お申し込みいただいた方には、Zoomのリンク(とパスワード)をお知らせします。
https://forms.gle/q5dN4SLm2JkHbeF46


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日 時:2021年7月10日(土)12:30-13:50(但し、会員は12:15より総会)

12:15-12:30 [総 会](会員のみ)

1. 2020年度活動報告
2. 会計報告

              3. 役員改選

4. 2021年度活動方針

5. その他

12:30-13:50 [例 会]

「EVERGREEN 10号の合評会」

2021年3月に発刊いたしました『EVERGREEN』10号に掲載された2編の論文について、論文執筆者および指定討論者、さらには参加者の皆様にも参加いただき議論を深めます。

 

「執筆者からの論文紹介」

              『協同学習が高校生の英語学習に与える情意的効果』

大西 里奈 先生(京都府洛東高校神戸大学大学院)

 

『「翻訳」による大学英語教育の課題と可能性』

       松田 佳奈 先生(和歌山大学非常勤講師)

 

「指定討論者」

東 悦子 先生(和歌山大学

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入 会:年会費800円(院生・学生600円)は、会場開催のときにお支払いください。

また、会場開催のときは非会員の方は300円(院生・学生200円)の資料代が必要です。

メーリングリスト: 件名「WASETのML登録」、本文に「登録アドレス(複数可)」

と「お名前」をご記入の上、下記の事務局までご送信ください。

ホームページ:https://sites.google.com/view/wakayamaenglish

事務局:waset2[a]gmail.com

      ↑  [a]を@にしてください。

中部地区英語教育学会第50回記念愛知大会 6月26-27日 オンライン開催

1年延期されていた中部地区英語教育学会第50回記念愛知大会が、6月26(土)-27日(日)オンラインで開催開催されます。

CELES 2021 | 中部地区英語教育学会 第50回記念愛知大会

 

6月26日(土)の記念講演(10:4012:20)は、なんとあのDr. Rod EllisCurtin University

タイトルは Task-based Language Teaching Using Input-based Tasks です。

 

6月26日(土)の15:3017:3050回大会記念シンポジウムで、私も登壇します。

 

テーマは「英語教育の半世紀を振り返りこれからの英語教育を考える

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シンポジウムの詳細は↓

https://www.celes.info/aichi2020/wp-content/uploads/2021/06/03.pdf

 

翌6月27日(日)の研究発表もたいへん充実しています。

 

ぜひ一緒に英語教育の半世紀を振り返り、これからの英語教育を考えましょう。

 

 

 

(新刊)鳥飼玖美子『通訳者たちの見た戦後史』(新潮文庫)

鳥飼玖美子さんから最新刊『通訳者たちの見た戦後史:月面着陸から大学入試まで』(新潮文庫)を頂きました。

素晴らしい本ですので、心からお勧めします。

 

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この本は、『戦後史の中の英語と私』(みすず書房、2013)を改訂増補し、文庫化したもの。

『戦後史の中の英語と私』は、数多い鳥飼さんのご本の中でも僕がもっとも好きな本のひとつでした。鳥飼さんの自伝的要素が強く、中勘助の『銀の匙』のような随想風・回想風の書き方などが実に面白いからです。

 幼い頃の英語との出合いや、國弘正雄氏ら同時通訳者たちとの関わり、英語講座での活躍や学者への転身などの足跡が、戦後日本社会のなかに位置づけられています。

鳥飼さんが直面されたいくつもの「偶然」が実は「必然」であったことが、謎解きのようにわかっていきます。

 今度の文庫版では、阿部公彦さんの「解説」もお見事です。

2013年以降を扱った最終章への加筆(352ページ以降)も素晴らしく良くまとまっています。

 旧版が出た2013年は第二次安倍内閣教育再生実行会議が始動した年。

そして、大学英語入試にTOEFL導入・民営化などを掲げたその政策に対抗して、私たち「4人グループ」(鳥飼玖美子・大津由紀雄斎藤兆史・江利川春雄)が結成された年でした。

今回の増補部分には、その後の8年間の英語教育政策の混迷と、その間の鳥飼さんや英語教育関係者らの獅子奮迅の活動が、コンパクトな分量のなかにギュッと凝縮されています。

 けっきょく、鳥飼さんや私たちが主張したとおり、大学英語入試の民営化には構造的な問題が含まれており、2019年11月に事実上破綻したのでした。

それらを総括した上での、鳥飼さんの最後の締めの言葉が特に秀逸です。

「このような事態を是正し、より良い未来につなげるためには、一人ひとりが批判的思考力に基づいて判断し声を上げるしかない。これは次世代に対する私たちの責任である。」(365ページ)

鳥飼さんの凜とした生き方を凝縮した言葉だと思います。

このような素晴らしい本が、見事な改訂増補を経て、文庫本として新たな読者に広がることは、日本の英語教育と戦後日本社会の問い直しにとって大きな意義があると思います。

ぜひお読みください。

 

復刻版『英語教育』全9巻が完結

復刻版『英語教育』第Ⅱ期4冊が4月30日、ゆまに書房から刊行され、全9巻が完結しました。

英語教育研究の2大拠点だった広島文理科大学(現広島大学)の英語英文学研究室(のちに英語教育研究所)の編輯により1936〜47年に出されていた全42冊を完全復刻したものです。

詳細な解題、総目次、テーマ別・執筆者別索引を付けました。

同誌は日本で初めて「英語教育」を冠した先駆的な雑誌で、英米文学・英語学・英語教育の3分野に加えて、英米の風物教授、授業実践記録、各種調査報告、追悼記事、会員消息など大小854篇の論考を収録しています。

執筆者は小日向定次郎、山本忠雄、小川二郎、定宗数松、桝井迪夫、飯野至誠などの広島関係者のみならず、大塚高信、中島文雄、福原麟太郎、松川昇太郎、磯尾哲夫など、全国の錚々たる人々が質の高い論考を寄稿しています。

しかし、戦時下の出版統制や、広島原爆による関係資料の焼失などにより、『英語教育』は幻の雑誌となってしまい、全巻を架蔵する図書館は存在しませんでした。

日本人と英語の関係史をたどる上で不可欠の文献です。

ぜひご活用ください。

詳細は↓

英語教育 1936〜1947年刊 全8巻+別巻1【new!】 - ゆまに書房

 

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『英語教育の歴史に学び・現在を問い・未来を拓く:江利川春雄教授退職記念論集』

私はこの3月で和歌山大学を定年退職しますが、思いがけなくも、ゼミ卒業生の尽力で『英語教育の歴史に学び・現在を問い・未来を拓く:江利川春雄教授退職記念論集』を溪水社より上梓していただきました。

合計 28 篇もの論文・エッセイ・創作を集録しています。

ご寄稿をいただいた27人の皆様に心よりお礼を申し上げます。

私が直接・間接に指導の機会に恵まれた12人の皆さんのみならず、研究および実践で交流し、行動を共にし、学問的な刺激をいただいた15人の諸先生からも玉稿を賜ることができました。

カナダを拠点に世界的に活躍しておられる久保田竜子先生。

4人で講演・執筆活動を共にしてきた大津由紀雄斎藤兆史、鳥飼玖美子の各先生。

日本英語教育史学会でお世話になっている河村和也、久保野雅史、田中正道、田邉祐司の各先生。

卓越したご研究により学問的な刺激をいただいている寺沢拓敬、寺島隆吉、林桂子、三浦孝の各先生。

優れた研究者・実践家で、かけがえのない友人でもある胡子美由紀、桂敦子、山内啓子の各先生。

本当にありがとうございました。

なお、本来でしたら、お世話になったより多くの人たちにもお声がけすべきところでしたが、紙幅の制約から失礼をいたしました。

明日の英語教育のために、皆さんとコラボできたことがとても嬉しいです。

オンデマンドのため資源の浪費を押さえ、Amazon三省堂楽天ブックスから購入できます。

お読みいただければ幸いです。

では、これからも、どうかよろしくお願い申し上げます。

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