希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

君が代斉唱時の起立を義務化する大阪府条例案は違憲だ

議会で多数を取れば何をしてもいいのか。
あまりに常軌を逸した数の暴力ではないか。

橋下徹大阪府知事が代表を務める大阪維新の会府議団は、5月20日府立学校の卒業式などの「君が代」斉唱時の起立を教員に義務づける条例案大阪府議会に提出する旨を、議長に通告した。

また、橋下知事は、同条例案とは別に、君が代斉唱時に起立を行わない教員に対する処罰基準を定める条例秦を本年9月府議会に提出する方針を明らかにしている。

これではファシズムではないか。
憲法はもとより、過去の判例をも無視した暴挙ではないか。

2011年(平成23年)3月10日、東京高等裁判所は、都立学校の教職員に対し卒業式等の国歌斉唱時に起立斉唱等しなかったためになされた懲戒処分を取り消す旨の判決を言い渡した。

この判決は、教職員らの不起立行為が「歴史観ないし世界観又は信条及びこれに由来する社会生括上の信念等に基づく真摯な動機によるもの」であるとし、不起立行為等を理由として懲戒処分を科すことは、社会観念上着しく妥当を欠き不適法であると判示したものである。

橋下は弁護士でもあるはず。
権力を握ったとたんに、違法行為に血道を上げるのか。

日本弁護士連合会会長や大阪弁護士会会長なども反対声明を出している。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hotline-osk/

大阪府民はもとより、全国から声を上げ、違法な条例案を通してはならない。

<5/29追記>
この問題については、多くの新聞が批判的な社説を掲げている。
http://www.news-pj.net/siryou/shasetsu/2011.html#anchor-kimigayo

<5.31追記>
君が代立命令を「合憲」とする最高裁判決が出た。
相変わらずの情けない判決。平気で憲法違反を追認している。
法の番人であるはずが、行政の番犬に成り下がっている。
一連の原発関連判決でもそうだった。それが今日の悲劇を招いた。