希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

日本英語教育史学会の研究会(東京)から戻って

11月19日(土)の和大祭は大雨で警報まで出て、さんざんでした。

雨で機材のセッティングが出来ず、既報のように、僕らのライブは中止!

傷心のまま最終便で羽田に飛びましたが、関東も大荒れ。
飛行機は遅れ、気流の乱れで着陸できるのかが心配なほどでした。

でも、友人たちは東京神田の飲み屋で待っていてくれました。
嬉しかったです。ほんと。
で、飲み始めたのが午前0:30、ホテルに着いたのは2時を回っていました。(^_^;)

で、翌20日は晴天。
気分を変えて、日本英語教育史学会の論文審査委員会と研究例会で専修大学に。

研究発表は若き俊英・斎藤浩一さん(東京大学大学院生)の「岡倉由三郎再考:その英語教育目的論の背後にある原理」でした。

これが実にすばらしい!
資料を博捜しての緻密な実証と、的確な推論。
まだ20代なのに、本当に立派です。

実は、斎藤さんは2006年に東大大学院(駒場キャンパス)で「日本英語教育史研究」の集中講義をした時の受講生。
ですから、僕の「教え子」の一人でもあるのです。
ちょっぴり自慢な逸材です。

【発表概要】は以下の通りです。

岡倉由三郎はなぜ「読書力の養成」を英語科の「実用的価値」としていたのか。また、そもそも彼が導入していた「実用的価値」と「教育的価値」という二分法とは何物なのか。さらに、こうした知見を述べていたのは本当に岡倉だけであったのか。本発表では、これらの「そもそも」論的問題に解答を与えることを通じて、彼の英語教育目的論の背後にある原理の存在を明らかにする。

いいでしょう!
論文化を控えていますので、これ以上はヒミツ。(^_^;)

今年は岡倉由三郎の名著『英語教育』(1911)が刊行されて100面の節目の年。

その点でも、斎藤さんのご発表は記念碑的な意味を持ちました。