希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

がれき問題を考える勉強会(報告)

まず、本ブログが16万ヒットに達しました。
みなさんとの交流が本当に楽しいです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
<m(_ _)m>

さて、昨日3月19日に和歌山市「がれき問題を考える勉強会」が開催されました。

講師は山内知也氏神戸大学大学院教授)です。

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山内教授は、自ら東日本の各地に出向いて計測した放射能の数値を具体的に示し、その深刻な実態を話されました。

会場は、まさにかたずを飲んで聴き入る、といった感じでした。

「がれき問題は私の専門ではありません」と断った上で、見解を述べられました。

氏の見解は『がれきの受け入れに反対する理由』(PDF) をご覧ください。
http://bit.ly/y0Gpgk

私なりにまとめれば、以下のようなご指摘がありました。

・東日本のがれきには、程度の差はあれ、セシウムなどの放射性物質が含まれている。

・それらを一般のゴミ焼却炉で燃やせば、煙突から放射性物質が放出され、放射能汚染を引き起こさざるを得ない。ただし、その汚染レベルがどの程度かまではわからない。

・焼却炉の内部にも高濃度の放射性物質が蓄積する可能性が高い。それらの後処理はきわめて大変だろう。

・がれきには津波による塩分が含まれているものが多いので、塩分によって焼却炉を傷める可能性が高い。

・がれきの全国への拡散は、放射能の拡散を招く。ほとんど汚染されていない西日本まで放射能世汚染させてはならない。

・被災地の多くでは、必ずしもがれき処理が復興の妨げにはなっていない。

阪神大震災ので出たがれきの値段は1トン当たり2万円だったが、いまそれが6万円になっている。受け入れには「復興支援」という面だけでなく、利害関係がからんでいる可能性がある。

・そうしたお金を被災地に処理施設を作ることにまわせば、放射性物質の拡散が防げるだけでなく、現地の雇用も生まれる。

・がれきの受け入れよりも、避難住民の受け入れが大事ではないか。

以上、これらはあくまで私の主観的なまとめです。

最近、マスコミはがれきが復興の妨げになっているので、それらを受け入れることが日本人としての義務だと言った論調が強いようですが、このキャンペーンは原発推進キャンペーンと類似する構造があるように感じています。

和歌山市議会でも、がれきを受け入れるかどうかの議論がなされるようで、3月22日には市議会を傍聴して「がれき受け入れに反対しよう」という運動があります。
私も賛同します。

今回は本当に勉強になりました。

山内君(ここからは「君」)とは昔からの友人ですので、講演の後で居酒屋でさらに「勉強会」を開き、そのあとは我が家に泊まってもらって、「黒牛」の1升瓶が完全に空いた朝の4時まで「勉強会」を続けました。(^_^;)

あれだけマスコミに登場しても、主張がブレない彼はエライとつくづく思いました。