希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

日本人の英語学習史を共同研究

何か新しいことをやりたくなる新学期。

和歌山大学大学院教育学研究科の院生・学部生たちと「日本人の英語学習史」の共同研究を始めました。

日本人にふさわしい英語学習法を明らかにするために,明治以降の先人たちの英語学習履歴と学習法を学ぶためです。

当面は,学習履歴が書かれた資料を選定し,分担しながら分析することで,学習法の特徴を明らかにしていく予定です。
学習方略の類型化や一覧化にもチャレンジしたいと思っています。

学習英文法,英文解釈法,和文英訳法,英語構文の「公式」,単語暗記の工夫,さらには予備校や通信教育のノウハウなど,日本語とは大きくかけ離れた英語をどうやってモノにしようとしてきたのかを,一次資料にもとづいて解明していく予定です。

調査すべき資料はたくさんあります。たとえば以下のものです。

(1)『英学界』編輯局編『余は如何にして英語を学びしか:附 如何にして英語を学ぶべきか』有楽社,1907:明治40年

(2)第一外国語学校編『英語研究苦心談:十六大家講演集』1925:大正14年

(3)『英語青年』,『中学世界』,『英語の研究と教授』などの雑誌に掲載された英語学習履歴資料。

(4)内村鑑三,田中菊雄,市河三喜小川芳男,岩崎民平などの個人史。

院生・学生も大いにやる気で,さっそく明治期の資料と格闘しています。

成果は順次,学会や研究会などで発表していきます。

わくわく!