希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

大津由紀雄-直山木綿子対談が面白い!

文科省の教育課程課が編集している『初等教育資料』の8月号の特集は「これからの外国語教育の在り方」。

本日、大学図書館に届いたので開いてビックリ。

我らが「4人組」の大津由紀雄さんと、文科省教科調査官の直山木綿子さんが対談しているではないか。

言うまでもなく、大津さんは小学校英語反対派の論客。
対する直山さんは、文科省で外国語活動を推進する立場だ。

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読むと、もっとビックリ。

全体的に、大津さんが持論である<日本語を主体とした「ことばへの気づき」を重視すべきだ>とする主張に対して、直山さんがかなり「接近」している。

例えば、次のような。

大津 今の教科体制から言うと、国語が中心となって気付きを耕していく。そういった素地が、子供の中に形成された上で外国語が入ってくると、二つの窓が得られるわけです。(中略)単語をいくつか順に並べてまとまりをつくって句をつくり、それを重ねて文をつくるという原理は同じです。そういうことに気付くことで、「ことばへの気付き」がより豊かになってくる。

直山 大津先生と私の共通点はそこです。それは外国語教育の目的と重なると考えています。外国語教育単体で考えるのではなく、母語と合わせて、言語教育としてとらえる必要がある。(37ページ)

最後の「外国語教育単体で考えるのではなく、母語と合わせて、言語教育としてとらえる必要がある」という発言は、たいへん高い見識であり、評価できる。

ぜひ、実現に向け動いてほしい。

教科調査官にここまで言わせた大津さんの柔らかな説得力はたいしたもの。

もっと詳しく紹介したいが、明日は朝から新潟での新英研全国大会(記念講演を頼まれてます)に出発のため、その準備をしないと。(片道6時間半です!)

ぜひ、図書館等で本文をお読み下さい。

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