希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

小中連携で「学びの共同体」の実現へ

10月21日、滋賀県の中学校を訪問してきました。

まず、社会科の授業を見学。

協同学習を取り入れ、ジャンプ課題ではアメリカ合衆国の人種問題を統計資料や地図を使って考えさせる高度な問題。よく準備され、考えられていました。

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子どもたちには共通する特性があります。

深く考え始めると、口を閉ざして静かになるのです。
学びスイッチが入った瞬間です。

この静寂の時間を持続させることが教師の力量です。
このとき、教師は口を開いてはいけないのです。

でも、この静寂が教師には不安です。
つい、追加の指示を出したりしてみたり、「おっ、いつもより静かやんか」などとチャチャを入れてしまいがちになるのですが、その衝動をぐっとこらえないといけません。

授業を「盛り上げよう」などと考える必要はないのです。

学びは本質的に静かな時間です。
ですから、教師は声量を落とし、発言も最小限にして、生徒が思考に集中しやすくする必要があります。
(もちろん、英語の音読や発音練習などは例外ですが。)

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次に大事なことは、「話し合い」と「学び合い」とは違うことです。

既知のことを「話し合う」だけでは学びは深まりません。

学び合いとは、共に探求し合うことです。

「なぜだろう?」「どう考えればいいの?」「そういうことか!」といった、ささやき(大声にはなりません)を見逃さないよう、教師は間近で耳を澄ますことが大事です。

活発な話し合いほど、よく聴いてみると、探求的な深まりに乏しいことが少なくありません。

さて、昨日の研修会には、校区の2つの小学校から校長以下すべての教員が参加していました。

すばらしいことです。

その小学校の1つは、すでに4年前から協同学習を取り入れた「学びの共同体」づくりを進め、瞬く間に荒れを克服し、学力も平均を超えました。
(私も「学びの共同体」のスーパーバイザーですが、この小学校を指導された人は別のスーパーバイザーです。念のため。)

そうした小学校と中学校とが連携をすることで、文字通りのこの校区全体での「学びの共同体」が実現しようとしてます。

中学校側は今年度に始めたばかりですので、しばらくは試行錯誤が続くでしょうが、すでに「コの字型教室」を取り入れた1年生を中心に成果が出始めています。

今後の展開が楽しみです。

さて、あとになってしまいましたが、ゼミの活動報告を山本君が作ってくれましたので、掲載します。

LTD話し合い学習法による学びで、いつもながら、時間が足りないほど意見交流ができました。

そうそう、昨日うれしいニュースが飛び込んできました。

ゼミの4回生が大阪府の教員採用試験・中学校英語に見事一発合格したのです。
よく頑張りました!!

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