希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

「戦後英語教育政策史へのアプローチ」

3月20日、大阪あべのハルカス23階(四天王寺大学サテライト)で日本英語教育史学会研究例会が開催されました。

高層の大阪市立大学医学部付属病院が眼下に見えるのですから、すごいですね。

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佐藤惠一副会長による「英語教育史入門セミナー」は、旧「満州」における教育実態に関する興味深いものでした。

私の「戦後英語教育政策史へのアプローチ」と題した発表では、以下の3点に焦点を当てました。

(1)戦前と戦後の連続性(オーラル・アプローチを中心に)

(2)敗戦直後の米会話ブームと米国の対日文化戦略

(3)小学校英語への財界の要求史

「まとめ」として、以下の問題提起を行いました。

1. 戦前→戦後の連続性に関する研究を(軍学校の研究が不可避、戦後改革の再評価)

2. 戦後英語教育の戦略的な意味の解明を(対冷戦、日米安保体制、グローバル化との関係)

3. 「使える英語」の象徴としての小学校英語要求の歴史的解明を

4. 1970年代研究の重要性→臨教審→具体化

本日から出張のため詳しくは書けませんが、内容の一部は、もうじき発売される『英語と日本軍:知られざる外国語教育史』(NHKブックス)の最終章に書きました。

お読みいただければ幸いです。

懇親会には現院生と新院生(4月に入学)も参加してくれて、楽しい限りでした。

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