希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

9.19「さようなら原発5万人(6万人)集会」スピーチ(1)

かつてない規模で「原子力」のあり方を問うた9.19「さようなら原発5万人(6万人)集会」

日本の多くの御用マスコミは、まともに報じませんでした。
でも、世界の報道ぶりはすごいです。

私たちにはネットという武器があります。
ぜひネットからネットへと「真実」を広げましょう。
 
OurPlanet-TVの画像を掲載します。
 http://www.youtube.com/watch?v=k5Q5cRWpQaU&feature=player_embedded

「みんな楽しくHappyがいい」の管理人さんが、スピーチを書き起こしてくれました。
  http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-853.html

いずれも、ことばの持つ力を再認識させてくれる素晴らしいスピーチです。
今回は8人中4人分を掲載します。
0分~ 鎌田慧さん 
4分~ 大江健三郎さん 
9分~ 内橋克人さん 
12分~ 落合恵子さん 

みなさんもぜひ転載して下さい。

脱原発1000万人署名もがんばりましょう!


 みなさん、全国から集まってくださった皆さん、全国から集まれなかったみなさん、全てのみなさん。
 私達は、今日ここに、5万人集会を成功させることが出来ました。まだ、数は把握してません。厳密に言いまして4万人は突破してます。ありがとうございます。

 今日の集会はこれまでの集会の一つの結節点であります。そしてこれから始まっていく集会の出発点でもあります。

 みなさん。まだ、1000万署名は始まったばかりです。今日現在100万人は突破してます。しかし、あと900万あります。これを、みなさん死に物狂いで頑張りましょう。そして、1000万の声を脱原発に向けて突き付けましょう。

 野田首相は、これから国連に行って「原発の安全性を高めて再開していく」ということを演説するというふうに発表してます。しかし、安全性と信頼性はすでに破綻しております。それでもなおかつ再開するというのは、人民に対する敵対であります。

 今、日本人の8割に及ぶ人たちは、「原発は嫌だ」「もう、原発は止めてくれ」「原発のない社会に生きたい」というふうに言ってます。その声を無視して政治が出来る訳はありません。

 これまで、どの位の被ばく者が発生しているのか。そして、現在被ばく労働者がどれだけ発生しているのか。これから、分かります。

 しかし、その恐ろしい結果を私達は、・・私達は認めなくてはいけません。そして、その救済を少しでも強く始めて行かなくてはいけません。

 そういう意味でも、今日の集会を力強く終わらせることによって、救済運動も進めていきたいと思ってます。

 原発から脱する脱原発運動は、文化革命であります。意識を変えていく運動でもあります。

 みなさん。核に依存して生きることは人類は絶対にできない。核と人類は絶対にできない、共存できないということは、広島、長崎、そして今度の福島の事故でも証明されてます。

 どうしてこれ以上の犠牲者を作ることが出来ましょうか。

 私達は、原発にさよならを言います。さよならは、サイチェンとか、オボワールとか、また逢う日までのさよならじゃない。もう絶対に会わない、会いたくないアディウというのが原発に対する私たちのメッセージです。

 もう、原発のある社会はいらない。そして、これから子どもたちに、平和な、幸せな社会を残す。そのためにこそ頑張っていこうではありませんか。

 これから、1000万署名に、皆さん頑張って下さい。

 そして、来年3月24日、集約集会を開きます。1000万署名の集会を3月24日、日比谷野外音楽堂で開きます。それまで皆さん頑張って下さい。

 そして、その間にも講演会とか音楽会とか、いろんなことを考えています。みなさんからのアイディアも募集します。

 みなさん一緒になって頑張りましょう。


大江健三郎(作家)さん

 二つの文書をひいてお話しします。
 まず第一は、私の先生の渡辺一夫さんの文章です。

「狂気なしでは偉大な事業は成し遂げられないと申す人々もいられます。それは嘘であります。狂気によってなされた事業は、必ず荒廃と犠牲を伴います。真に偉大な事業は、狂気に捉えられやすい人間であることを人一倍自覚した、人間的な人間によって、誠実に地道になされるものです。」

 この文章は、いま、次のように読み直され得るでしょう。

原発の電気エネルギーなしでは、偉大な事業は成し遂げられないと申す人々もいられます。それは嘘であります。原子力によるエネルギーは必ず荒廃と犠牲を伴います。」

 私が引用します第二の文章は、新聞に載っていたものです
 原子力計画を止めていたイタリアが、それを再開するかどうか国民投票をした。そして、反対が9割を占めました。

 それに対して、日本の自民党の幹事長がこう語ったそうであります。
「あれだけ大きな事故があったので集団ヒステリー状態になるのは心情としてわかる。」

偉そうなことを言うものでありますが、もともとイタリアで原子力計画が一旦停止したのは25年前のことです。チェルノブイリの事故がきっかけでした。それから長く考え続けられた上で、再開するかどうかを「国民投票で決める」、そういうことになった。その段階で福島が起こったのであります。

 今の自民党の幹事長の談話の締めくくりはこうです。
「反原発と言うのは簡単だが、生活をどうするのかということにたちかえった時、国民投票で9割が原発反対だからやめましょうという、簡単な問題ではない。」
 そう幹事長は言いました。

 原発の事故が簡単な問題であるはずはありません。福島の放射性物質で汚染された広大な面積の土地をどのように剥ぎ取るか、どう始末するか。すでに内部被ばくしている大きい数の子どもたちの健康を、どう管理するか。

 今まさにはっきりしていることは、こうです。

 イタリアでは、もう決して人間の命が原発によって脅かされることはない。しかし、私らは、私ら日本人はこれから、さらに、原発の事故を恐れなければならない、ということです。

 私らは、それに抵抗するということを、その意志を持っているということを、先のように想像力をもたない政党の幹部とか、また、経団連の実力者たちに思い知らせる必要があります。

 そのために私らに何が出来るか。私らにはこの民主主義の集会、市民のデモしかないのであります。
 しっかりやりましょう。


内橋克人さん(経済評論家)

 福島はもとより、下北半島の端から、日本中から、世界から、沢山の人が集まって下さいました。
 ありがとうございます。

 一つだけ注意しなければならないことがございます。
 それは新しい原発安全神話原発安全神話の改訂版、新版。これが、台頭しつつあるということです。つまり「技術が進めば、発展すれば、安全な原発は可能である。」「安全な原発は可能である。」という、こうした安全神話の改訂版。

 新たな装いをこらして台頭しつつあります。
 たとえば、地下深く原発を埋め込んで洞窟の中で原子力発電を続ける、こういうたくらみ、こうした計画が進んでいるということであります。

 地下、洞窟、穴に、原発エネルギーを作る装置をうずめて、なおかつ原発を持ち続けたいという、この意図の裏に何があるかです。

 それは、私達の国が核武装、核でもって武装することが可能な、そういう潜在力を持ち続けようと、そうした政治的意図だと思います。

 合意なき国策がここまで進んできました。幾度も幾度も、私達は打ちひしがれた経験、これを生かさなければなりません。

 原発エネルギーではなくて、命のエネルギー。命のエネルギーが輝く、そういう国にしようではありませんか。
 今日、その一歩が踏み出されます。世界が変わると思います。

 さよなら「原発」、こんにちは「いのち輝く国」。

 その第一歩をみなさん方と共に歩き続けたい。そういうふうに、私は喜びとともに、お話をさせていただきました。
 本当にありがとうございました。


落合恵子さん(作家)

 こんにちは。いっぱい声出して下さいね。

 あなたに会えて本当に良かったです。でも、この会えたきっかけを考えると腹立たしくて、腹立たしくて仕方がありません。

 この腹立たしさを、新しい力に変えて明日を変えていきたいと思います。

 私達の・・これは私の世代ですが、ビートルズの歌を歌って育ちました。そのビートルズの歌にImagineという歌がありました。「想像してごらん。」から始まる、あの歌です。

想像して下さい。
子どもは、どの国の、どの社会に生まれるか、選ぶことはできないのです。そして、生まれてきた国に、原発があって、この暴走があったことが、今の私達の社会です。

想像して下さい。
福島の、それぞれの子どもたちの今を。そしてこの国のそれぞれの子どもたちの今を。

想像して下さい。
スリーマイル島チェルノブイリ、そして、福島。あの原発大国フランスでも、ついこの間、核施設の事故があり、殆どの情報が私達は手に入れられない現実を生きています。今度はどこで、つぎは誰が犠牲になるのかと、そのストレスを絶え間なく抱いて生きていくのは・・もうイヤだ!

 私達はそれぞれ叫んでいきたいと思っています。

 放射性廃棄物の処理能力も持たない人間が原発を持つことの罪深さを、私達は叫んでいきましょう。それは命への、それぞれの自分自身を生きていこうという人への、国家の犯罪なのです。

 容易に核兵器に変わりうるものを持つことは、恒久の平和を約束した憲法を持つ国に生きる私達は、決して許容してはならないはずです。

 想像して下さい。
 まだ、ひらがなしか知らない小さな子どもが、夜中に突然起きて、「ほうしゃのうこないで!」って、泣き叫ぶような社会を、これ以上続けさせてはいけないはずです。

 わたしは、私達は、みなさんも、この犯罪に加担しないと、ここでもう一度自分と約束しましょう。
 原発という呪詛から自由になること。

 もちろん、反戦反核、反差別は全部一つの根っこです。「いのち」。ここから始まります。

 今、函館で、大間原発を、あの海を見ながら、函館の駅に向かって歩いている大きなグループがいます。大間原発の方、そこにいらっしゃいますよね。

 あるいは昨日、オーストラリアから突然帰国したJunkoさん、どっかに埋もれているでしょう。ありがとうございます。

 世界から、原発と核が消える私達のゴールに向かって歩みましょう。
 暴力に対して私達は非暴力を貫きます。

 けれども、あきらめません。慣れません。忘れません。歩き続けます。

 この、ひとつのウォークを、怪我人ゼロ、熱中症ゼロ、もちろん逮捕者ゼロで歩きぬきましょう。
 おねがいしまーす。

(つづく