梶木先生は1910(明治43)年に東京で生まれた。
東京高等学校を経て,1933年に東京帝国大学英文科を卒業され,同大学院に入学。
1935年から東京帝大助手,1937年に成城学園講師,1941年に陸軍予科士官学校教授となり,1942年から東京外国語学校教授。第一高等学校などでも英語を教えた。
東京高等学校を経て,1933年に東京帝国大学英文科を卒業され,同大学院に入学。
1935年から東京帝大助手,1937年に成城学園講師,1941年に陸軍予科士官学校教授となり,1942年から東京外国語学校教授。第一高等学校などでも英語を教えた。
また,語学教育研究所理事長,大学英語教育学会会長,日本英語検定協会会長などをも歴任された。
この間,数多くの英語参考書や教科書の執筆に携わり,駿台予備学校でも教えた。
私自身,梶木先生の『英語の基礎』(旺文社、1957年初版、1969年四訂版の重版)にはたいへんお世話になった。
この本と出会わなかったら,いまこうして英語教師をしていなかったかもしれない。
この本と出会わなかったら,いまこうして英語教師をしていなかったかもしれない。
2009年12月に始まり,思いのほかブログ長期連載となった「懐かしの英語参考書」の第1回が,この『英語の基礎』だったのは偶然ではない。
この連載が一つのきっかけとなり,2011年3月には拙著『受験英語と日本人:入試問題と参考書からみる英語学習史 』(研究社)が誕生した。
同書から,『英語の基礎』と私との出会いの部分(第5章)を引用させていただき,梶木先生への感謝の言葉としたい。
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梶木隆一『英語の基礎』――「苦手」を「好き」に変えた本
文法を中心に、文字通り英語の基礎をわかりやすく説いた本。
初版は1957(昭和32)年で旺文社の発行。
初版は1957(昭和32)年で旺文社の発行。
1年生の1学期で私は英語の授業についていけなくなった。
夏休みに帰省したとき、できるだけやさしそうな参考書を買い、とにかく最後までやることにした。
それが、この『英語の基礎』だった。
それが、この『英語の基礎』だった。
わかりやすい。
読んでいくと、赤ん坊が母乳を飲むように、みるみる血と肉になっていった。
読んでいくと、赤ん坊が母乳を飲むように、みるみる血と肉になっていった。
巻頭には「英語の効果的な学び方」が8ページにわたって書かれている。
噛んで含めるような調子だ。
本文は2色刷りで読みやすく、説明も平易。
練習問題も控えめで、効果的なヒントがありがたい。
噛んで含めるような調子だ。
本文は2色刷りで読みやすく、説明も平易。
練習問題も控えめで、効果的なヒントがありがたい。
夏休みが終わり、学校にもどった。
不思議なほど英語がわかるようになっていた。
基本的な文法が頭に入り、英語のしくみが見えるようになったのだ。
基本的な文法が頭に入り、英語のしくみが見えるようになったのだ。
こうして英語好きになった私は、英語教師になり英語教員を養成している。
この本に出会わなかったら、今ごろ技術者としてロボットでも作っていたかもしれない。
梶木隆一の人と業績については、自伝『縁に恵まれて:私の履歴書』(私家版、1997)に詳しい。
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梶木隆一先生,ありがとうございました。
安らかにお休みください。
合掌