希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

映画を使った英語授業での協同学習

大阪大学国語学部での本年度の授業が、今日(1月22日)で終わりました。

一つは、英語専攻以外の学生が受講する兼修外国語としての英語の授業。
もう一つは、教科教育法(英語)です。

兼修外国語の英語の授業では、テキストを使わず、すべて音楽と映画を使い、教材は毎回の成績動向を見ながらレベルを設定し、すべて自作しました。

4人程度のグループによる協同学習を取り入れ、音楽や映画のリスニングの解答をグループ内で相談する時間を作りました。

学び合い、教え合い、助け合いを通じて、苦手意識を克服し、仲間意識を育て、学習意欲を高めるためです。

今年1年で取り上げた12作品は以下の通りです。

マイケル・ジャクソンの歌とPV(Black and White, Heal the Worldなど)
となりのトトロ
タイタニック
塔ノ上のラプンツェル
インビクタス
トイ・ストーリー
ママ・ミア!
プラダを着た悪魔
アバター
ハイスクール・ミュージカル
グリーンデイの歌とライブ映像(Minority, Know Your Enemy)
ノッティングヒルの恋人

このうち、どの作品が一番よかったかをアンケートしました(総数24名)。
みなさんは、その作品だと思いますか?

1位を付けた人がもっとも多かった(4票)のは、以下の3作品でした。


次点(3票)は以下の作品です。

ママ・ミア!
プラダを着た悪魔

受講生の約7割が女子学生であることが影響しているかもしれません。

続いて、協同学習についての意見をききました。

① グループでの授業は楽しかった。
A そう思う  87.5%
B ややそう思う  12.5%
C あまり思わない 0%
D 思わない 0%

② グループでの授業は効果的だ。
A そう思う  95.8%
B ややそう思う  4.2%
C あまり思わない 0%
D 思わない 0%

③ グループ内で十分協力できた。
A そう思う  79.2%
B ややそう思う 20.8%  
C あまり思わない  0% 
D 思わない 0%

④ グループでの協同学習よりも、一人で勉強した方がためになると思う。
A そう思う  8.3%
B ややそう思う  8.3% 
C あまり思わない  70.9%
D 思わない 12.5%

今回も、協同学習に対して肯定的な意見がほぼ全員でした。

教師による一方的な「講義」だけでは、学生の学びも、満足度も高まらないのではないでしょうか。

さまざまな意見・感想をいただきましたが、今回は1つだけ紹介しましょう(原文のまま)。

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私は大学に入ってから、英語の授業内容がとても難しくて英語が少し嫌いになっていました。ですので通常2年生のうちに取っておくべき英語の単位を4年生で取ることになってしまったのですが、先生の授業で色々な映画を通して英語に触れることで、英語に対する苦手意識が前よりなくなりましたし、同じチームのみんなで協力することで、より英語を理解できました。
学生最後に先生の授業を取って本当によかったです!
卒業してからもたくさんの映画を見て、英語に触れたいなと思います。
1年間ありがとうございました。

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こちらこそ、ありがとうございました。

今日も、美味い酒が飲めそうです。