希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

書評への感謝

8月17日の深夜に仙台から戻り、18日は朝から夕方まで和歌山大学で教員免許更新講習の講師でした。

題して「英語授業改善のあの手この手」。

体力的にはしんどかったですが、47名の受講生の先生方がとても熱心で、楽しい限りでした。

帰宅すると、出版界唯一の専門紙である『新文化』8月13日号が届いていました。

「注目!この本」のコーナーに、私の新著『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』(研究社)を取り上げてくれたのです。

実に見事な書評で、「数ある戦争関連書の中でも、異色にして極めて重要なテーマを扱った労作だ」という評価です。

加えて、研究社編集部の高橋麻古さんが「担当者の"売り言葉"」を述べておられます。

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書評の一部を抜粋させていただきます。

 「西洋文明へのコンプレックスと表裏一体のアジア諸国に対する傲慢さ、天皇の権威高揚と軍備の増強、対外戦争と他国侵略を繰り返す中、国のために死ぬことを美徳とする価値観を国民、とくに若者に植え付けたーーこれら一連の流れの形成に、当時の英語教科書も一役買ったことが読み進むうちに明らかになる。あとがきに著者が記す通り、本書は「<戦争>英語教材で読む日本近代史」である。
 敗戦後、それまでの<戦争>教材は一転して「墨ぬり」された。それはGHQや政府からの指令というより
、現場の性急な隠蔽工作であったため、教材の誤りの検証も行われなかった。だが同じ過ちを繰り返さないためには、きちんとした検証に基づく真摯な反省が不可欠だ。本書刊行の意図はそこにある。」

なんとも的確に書いておられる。

ぜひ、全文をお読み下さい。