希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

小学生の英語教育 歴史から学び、未来を考える学習会

小学校英語教育の歴史から学び、現在、そして未来の英語教育のあり方を考える講演・ワークショップを、9月13日(日)に大阪で開催します。

午前・午後にまたがる長丁場ですので、たっぷり学べますよ。

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明治以降の小学校用の英語教科書、教師用指導書、英語カルタ、ラジオ講座テキスト、教科書準拠のSPレコード音源(デジタル化しました)などの、超レアな資料の現物をお持ちします。

一部をご紹介しましょう。

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明治期の英米からの舶来教科書はイラストもきれいで、見るだけで外国への憧れをかき立てます。

ただし、ときに西洋的な価値観や、西洋崇拝を持ち込みました。

下の図は、アメリカの小学校用地理教科書のイラストで、西洋文明(左上)が他の文明よりも優れていると描かれています(詳しくは、拙著『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』をご覧ください。)

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しかし、外国製の教科書は日本人には難しすぎました。

そこで、明治20年代初頭には、文部省が率先して日本人向けのEFL型教科書を作成します。

画期的な試みです。
その後の国産英語教科書の先駆けとなりました。

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講演では、当時の小学校英語教育の実情を示した画像をたくさん使用し、分かりやすく歴史から学びます。

下の写真は、1920年代に和歌山県師範学校(私が勤務する和歌山大学教育学部の前身)の附属小学校で、なんと小学校1・2年生に実施していた英語教育の貴重な資料です。

教師は英国人のワサ先生で、日本人教師とのティーム・ティーチングでした。

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こうした先人たちの貴重な経験から学ばないのは、あまりにもったいないと思いませんか。

驚くような工夫と実践を蓄積してきたのですから。

たとえば、入門期の英語で大切な発音練習。

CDもスマホもない時代、舌の位置や口の形を図で示して、正確な発音を身につけさせようとしました。

考案者として、英語教育界の重鎮だった岡倉由三郎の名前が載っています。

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当日は、私の一方的な講演ではなく、随所にワークショップを取り入れて、実際に体験していただければと思います。

たとえば、明治期の小学校用英語教科書の本文を用いて、「私ならこんな授業を作る」という授業プランの作成を個人・グループで行います。

そのあと、当時の一流の英語教育者による指導実例と照らし合わせることで、大いに学びましょう。

後半は、次期学習指導要領にも導入が見込まれている「協同学習」(アクティブラーニングの一種)の基本原理と導入法についてレクチャーします。

それをふまえ、実際にさまざまな協同学習のアクティビティーを体験してみましょう。

仲間と協力し合って学ぶことがどれほど楽しいか、また効果的かを味わっていただきます。

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ぜひ、お越しください。

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日程:2015年9月13日(日)

時間:10:30~16:45

会場:弁天町ORC200生涯学習センター 講堂 7F
http://www.orc200.com/access/ac.html

参加費:3,000円


(主催) 非営利特定活動法人
Creative Debate for GRASSROOTS
http://grassroots-edu.com/

OBK児童英語講師 自己研鑚の会