希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

オキシトシンを出す「部活のような授業」を

去る6月1日のNHKためしてガッテン」では「痛み&認知症に効く!「癒やしホルモン」の驚きパワー」と題して、脳内物質オキシトシンの驚くべき効果を特集していた。

僕は以前からオキシトシンに注目しており、協同学習に関する講演などでは、いつもマクラとしてこの話をする。

オキシトシンが分泌されると、肯定的な気分になり、他者との関係が良好になる。
つまり、協同的な関係性を強める働きをする。

人類が長い進化の過程で獲得してきた物質のようだ。

鋭い牙も爪もない人類が過酷な環境で生き残ってきたのは、仲間との協同的な活動(助け合いと相互理解)を通じてなのだ。

その意味で、言葉によるコミュニケーション能力を伸ばすと共に、ぜひオキシトシンを分泌するような授業を展開したい。

では、オキシトシンはどうすれば分泌されるのか。

僕なりにまとめると、以下のようになる。

1.ほめる。

2. 親切な行いをする。

3.触れ合う(ハイタッチ、握手、ハグ)。

4.目を見る。

5.目標に向かって一緒に学び、話し合い、行動する。

6.一緒に感動し、共感し合う。

これらを英語の授業の中にもどんどん取り入れたい。

だから、教師による一斉講義型の授業ではなく、ペアワークやグループワークを頻繁に取り入れ、お互いの目を見て議論し、ひとつの活動が終わるとハイタッチ(英語ではhigh five)をするなどの活動が大事なのである。

一言で言えば、「部活のような授業」にすることである。

チームとしての連帯感を育み、自律的に学んでいく授業を教師がいかにデザインするかがポイント。

キーワードは、「つながり」 「信頼」 「共感」である。

6月2日のゼミでは、さっそくオキシトシンを出す英語活動を実践した。

さすがにハグしあうわけにはいかないので、ペアで相手の背中や手のひらに指でアルファベットを書き、それを当て合う活動をした。

一発で和やかな雰囲気になり、笑顔がこぼれていた。

詳細は丹羽さんによるゼミ通信をご覧ください。

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