希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

教科書を使った協同学習の進め方

11月1日は和歌山大学教育学部附属中学校の研究協議会。

午前中に2年生と3年生の公開授業を見学し、参観者と共に研究協議を行いました。

県教委の指導主事と私は「指導助言者」(本当は共同研究者と言ってほしいのですが)でした。
そこで私は、公開授業の開始後も突っ伏したままだった英語嫌いのO君が、協同学習の中でどう学びを変容させていったかについて、撮ったばかりの写真を豊富に交えながら報告しました。

写真を掲載できないのが残念ですが、他班の寸劇を見て改善意見などのコメントを仲間と話し合いながら協同的に書く活動(後半30分)では、それまで突っ伏していたO君が徐々に活動に参加し、やがて一番熱心に発言するようになり、最後まで活動に集中していました。

もしこれが教師中心の一斉型授業でしたら、O君は最後まで突っ伏していたかもしれません。
しかし、仲間と関わり合うなかで、自分の役割を見出し、積極性を発揮することができたのです。

1人ひとりの生徒の学び方は実に「多面的」です。
机に突っ伏すことも一つの「学び」かもしれませんが、何とも孤独な自己表現方法です。

しかし、仲間と関わり合うことを通じて、氷が溶けていくように、彼の学びは変容していきました。

授業の終わりに見せた彼の笑顔が忘れられません。

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さて、後期の私のゼミでは、検定教科書を使ってどう協同的な英語学習を進めるかが中心となります。

そのための提案授業として、10月25日のゼミでは、高校1年用の「コミュニケーション英語1」の教科書を使って、協同的で、4技能統合型の授業をどう展開するかを提示しました。
流れは以下の通りです。

1. グループで助け合い、音読の成果を発表し合います。
2. グループでの3段階の発問(事実発問、推論発問、自己関連発問)で内容理解を深めます。
3. ペアで暗誦をめざした音読練習をし合います。
4. 以上の十分なインプットを経て、個人で英語のサマリーWritingに取りかかります(アウトプット)。
5. 各自のサマリーを持ち寄り、班で1つのベスト・サマリーを作成し、スピーチします。

私の提案授業以外に、前回合格ラインに達しなかったプロジェクト班のリベンジ発表もありました。(今度は合格)

詳細はゼミ通信 La La La をご覧ください。

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