本書は西川が編集した『和文英訳問題選』を「あたらしく整理しなおし、多くをおぎなってできたもの」である。
全体の構成は、第一部が文法項目別、第二部がトピック別となっている。
30頁に及ぶ索引も親切だ(ただし日本語のみ)。
30頁に及ぶ索引も親切だ(ただし日本語のみ)。
この構成は、この「英作文参考書の歴史(11)」で紹介した松川昇太郎『実力完成 受験英作文法』(1949)の構成に似ている。しかも発行年も同じだ。
英作文参考書の内容は、大きく分けると、(1)文法中心、(2)公式中心、(3)トピック中心に別れるように思う。もちろん、それぞれの要素を組み合わせたものも多い。
その意味で、本書は(1)+(3)型だ。
第一部の冒頭を見ると、ごく簡単な文法解説に続いて例題が示され、〔註〕、〔訳例〕、〔参考〕からなる。
“The train to Paris leaves at 2.25,” he observed, “I should be starting.”(「パリ行きの汽車は二時二十五分に出ます」と彼は言った。「私は出かけなくちゃ。」)
このスタイルは、トピック別の第二部でも変わらない。
本書の「はしがき」では、次のように述べている。
「日本式英文でない真に英文になりきった英文を書くためには、どうしても英米の作家の書いた文章を模範として、つねづね練習していくことが大切であるから、ぜひ参考にして利用していただきたい。これに刺戟されて諸君もこうした習慣を身につけて下されば、われわれとしても嬉しいことに思う。」
山田や西川らの古い英作文参考書は、そんな問いかけをしているような気がする。