希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

明日から日本英語教育史学会第26回全国大会(秋田大会)

日本英語教育史学会第26回全国大会(秋田大会)が下記の日程で開催されます。
どなたでも参加できますので、ぜひお越し下さい。

日時:2010(平成22)年5月15日(土)~16日(日)

場所:大学コンソーシアムあきた カレッジプラザ

大会プログラムは学会ホームページからダウンロードできます。
  →日本英語教育史学会

記念講演は、5月15日(土)
演 題:「秋田における米人教師カロザス」
講演者: 高橋 俊昭先生( 元立正大学

僕は16日(日)に受験英語と参考書の歴史(2)―戦後の英文解釈を中心に―」と題して発表します。

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【要旨】は以下の通りです。

 日本人の「本音の」英語学習史を明らかにする上で欠かせない「受験英語」と参考書の歴史を、英文解釈を中心に考察する。

 (1)英文解釈問題のウェイトの変遷
 戦前期に主流だった全文訳を課す大学は、1950年代半ばに50%を割り、60年代には30%を切る。部分訳も1950年代半ばの約80%が、60年代半ばには40%を下回る。逆に急上昇したのが、和訳を伴わない「客観問題」である。

 (2)入試問題の長文化
 1問当たり100語以下の問題は、戦前は大半を占めていたが、1962年に46%、1965年に24%、1980年代には2~3%にまで低下した。逆に、201語以上は1962年に14%、65年に20%、1980年代には80%前後に達した。こうした長文化の要因と出題傾向の変化を考察する。

 (3)文部省側および高校側の対応
 文部省は入試問題を批判的に検討し、「大学入学者選抜試験問題作成の参考資料」を各大学に配布してきた。こうした行政指導の影響を、高校側の対応とともに考察する。

 (4)英語用受験参考書の変遷
 入試問題の変遷が受験参考書に与えた影響を実証的に検討する。