9月20日に広島で行われた日本英語教育史学会9月例会で安部規子先生(有明工業高等専門学校)の「修猷館の英語教師・菊池武信の履歴について」を拝聴して以来、菊池と彼の『英語発音秘訣』のことが頭を離れなかった。
この本については、田邉祐司先生(専修大学)も素晴らしい論考を発表されている(「日本英語音声教育史:『英語発音秘訣』の著者菊池武信の足跡を求めて」『日本英語教育史研究』第24号、2009)。
そうなると、ますます手に入れたくなる。
・・・困った性分だねえ・・・(^_^
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豊田實の『日本英学史の研究』によれば、同書は「日本における英語音声学書の始めであろう」とのこと。
高木誠一郎氏は労作「資料:日本における英語音声学文献総覧(改訂)」(『英学史研究』第20号、1987)の中で次のように評価されている。至言であろう。
「発音器官を解説したこと、発音器官により音を分類したこと、口型図を多数用いて、調音法を明確に説明したこと、アクセントを重視したこと、文強勢と抑揚を解説したことなどの点で、本書は先行の類書とは比較にならないほど音声学的記述が充実している。」
本書を読む限り、なるほどと思う。
1886(明治19)年にして、今日の音声学教科書のレベルに一気に引き寄せた歴史的な著作である。
ところが、この菊池武信という人物、実に謎が多い。どこで英語の修行をしたのかもよくわかっていないのである。
だから面白い。
田邉祐司先生、安部規子先生がんばってください!
お二人のあとに続く名探偵はいませんか!
お二人のあとに続く名探偵はいませんか!