希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

毎日新聞の誤報問題で文科省が「大変遺憾」と回答

Paulさんのコメントにもあったように、文部科学省は12月4日の毎日新聞による「授業はすべて英語で」という報道は「事実誤認であり大変遺憾である」ことを公式に表明しました。

Paulさんとみなさんの頑張りによる画期的な成果ですね。
こうして反撃の輪が広がったことをたいへん嬉しく思います。

まずは文部科学省の回答を引用させていただきます。

*************

文部科学省初等中等教育局国際教育課外国語教育推進室です。
お問い合わせいただいた件について、回答いたします。

■件名
毎日新聞誤報について

■内容
文部科学省国際教育課御中
毎日新聞の誤報に関して先日も質問させて頂きましたが、未だに回答がありませんので、再度質問させて頂きます。
「OC英語化」などという表現を本当に文部科学省国際教育課が口にされたのでしょうか?回答がなければ、その通りとして世間に公表させて頂きます。

□回答
毎日新聞の取材では、「OC」は現行学習指導要領における科目であり、現行学習指導要領では、「授業は英語で行うことを基本とする」旨の記載はないこと、新学習指導要領における「授業は英語で行うことを基本とする」という記述は、授業のすべてを必ず英語で行わなければならないということを意味するものではない旨伝えており、記事のような回答はしておりません。また、記事掲載後、毎日新聞社に対して紙面の内容は事実誤認であり大変遺憾である旨を伝えております。

文部科学省初等中等教育
国際教育課 外国語教育推進室
E-mail:kokukyo@mext.go.jp

*****************

第1に、「新学習指導要領における「授業は英語で行うことを基本とする」という記述は、授業のすべてを必ず英語で行わなければならないということを意味するものではない」ことをはっきりと公言させたことは、「指導要領解説」に準拠したとはいえ、とても重要なことです。

今後、「授業はすべて英語で」などと誤解している一部の地方教育委員会、管理職、教員などにたいしても、この文科省の公式見解を武器に「啓発」していきましょう。

第2に、毎日新聞社に対して紙面の内容は事実誤認であり大変遺憾である旨を伝えております」との回答も重要です。

毎日新聞の記事は、新指導要領を作った「黒幕たち」の「授業はすべて英語で」という本音をある意味で代弁したものでした。
しかし、文部科学省が公式にそれを否定したわけですから、極論すれば、黒幕の連中はハシゴをはずされた形です。

攻勢のチャンスです。

今後「授業はすべて英語で」などという人たちがいたら、にっこり笑って、「文科省はそんなこと言ってないよ」と教えてあげましょう。

その上で、新指導要領が含む重大な問題点を批判し、実践的に乗り越えましょう。

今度の誤報問題はチャンスだと申し上げましたが、Paulさんの頑張りで、まさに攻勢に転じるチャンスです。

どんどん周囲に広げましょう!