希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

Japan Timesに小学校英語を憂慮する記事

2月25日の前期入試が終わり、昨日は採点の追われた。

夜には大学院の修了生の「おめでとう会」でイタリアン。
昨年の修了生(高校教員)も駆けつけてくれて、ワインを2本空けた。

久しぶりにぐっすり寝て、朝刊を見てびっくり。
京大の入試問題が試験会場で撮影され、試験時間中にインターネットの掲示板に正解を求める書き込みとともに投稿されたとの記事。



入試委員長の任期満了まであと1カ月。
なのに、まだまだ気が休まりそうもない。

さっそく僕の大学でも対策を立てる必要があるだろう。
またまた複雑怪奇な分厚い入試マニュアルが必要になるのか。

現在の入試制度がもやは限界に来ているのだと思う。
抜本的に変える必要を痛感する。

で、今日の本題はJapan Timesに小学校英語の必修化を憂慮する記事が載っているということ。


あと1カ月に迫った小学校外国語活動必修化を前に、「英語を教える自信がない」と回答する小学校教員が68.2%に達しているという。

担任ではなく、英語の専科教員が教えるべきだという回答も75.7%にも達している。

記事は、まともな教員研修もせずに、極端な準備不足のまま必修化を強行する危険性を教員や専門家が指摘している。

記事にはないが、政権交代後、文部科学省の英語教育関連予算は激減し、2007~2009年に毎年7~10億円ほどあった予算が、2010年、2011年とも2億円ほどに激減した。

前の政権がいいとは思わないが、予算も付けずに「精神力と気合いで」英語教育を強化せよと言うのでは、もはや政策ではない。
硫黄島の決戦に竹槍を空輸した軍部の愚策を思い出す。

予算がないなら、小学校英語を中止すべきだ。
人と予算を中学校、高校に集中投資した方が効果は上がるだろう。

さて、Japan Timesの記事では入門期の英語を教える力量のある教員をほとんど養成しないまま、週1回程度の授業(活動)では、
「砂漠に水を垂らすようなもので、とてもオアシスにはならない」
「このままでは明治期の小学校英語と同じような失敗を繰り返す」
と、Haruo Erikawa 氏が述べている。

この人は、どうも僕(Erikawa Haruo)のアバターみたいだ。