希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

原子力村用語辞典

英語教育の目標のひとつは、ことばに敏感な国民を育てること。

ことばに敏感とは、ことばの裏にある本質を見抜き、権力や一部メディアによってねじ曲げられ、誤魔化されている本当のことを見抜ける主権者を育てることである。

たとえば、「有事」とは「戦時」であり、「特車」とは「戦車」、「普通科」とは「歩兵」であることを見抜ける人間を育てることだ。

その点では、東京電力福島第一原発の事故以降、実にひどい日本語が飛び交ってきた。

原子力開発を巡る政界、財界、官界、報道界、学界の癒着と馴れ合い、事実隠蔽と誤魔化しを、いやというほど見てきた。

そうした「原子力村」の業界用語を一度整理する必要がある。

そう思っていたら、朝日新聞夕刊(5月17日)の「素粒子」欄に、見事な用語辞典が載っていた。
英訳したら教材としても使えそうだ。

原子力村用語辞典 ☆

安全 = 危険が発覚しないこと

科学的合理性 = 学者が理解できる範囲

核燃料サイクル = 原発を永続させる呪文

想定 = 限界強度に収まること

送電網 = 電力会社のなわばり

損傷 = 溶けて崩れ落ちること

定検 = 隠れてする修理や交換

爆発的事象 = ようするに爆発

保安院 = 広報担当の協力会社

放射線 = 健康を増進するもの

立地  = 土地にカネを注ぐこと