一気に拝読。
最初から最後まで、深い共感と知的興奮を禁じ得ませんでした。
最初から最後まで、深い共感と知的興奮を禁じ得ませんでした。
「授業は英語で行う」などと定めた史上最悪の新学習指導要領に振り回される学校現場(とりわけ高校)に、反撃のための理論的根拠と展望を与える著作であり、まっとうな英語教育関係者の士気を鼓舞する本です。
また、日本の英語教育政策の危険性と、それに追随する英語教育関係者の知的退廃を、政治、経済、社会、教育、メディア批判などの極めて大きな視点から告発した、寺島先生にしか書き得ない本だと思いました。
私にとって嬉しかったのは、EFLとESLとの混同、ヴィゴツキー、「英語で授業批判」、教育・労働条件改善の急務性など、拙著『英語教育のポリティクス:競争から協同へ』で展開した問題意識の多くを寺島先生と共有できたことです。随所に拙論を引用してくださったことに対しても感謝の気持ちで一杯です。
もちろん、先生の方がはるかに根本的かつ説得的に展開されていますが、孤軍奮闘ではなく、たいへん強力な同志あるいは司令官を得た思いがしました。
さっそく周囲にも勧め、学部のゼミや大学院の演習でも精読させていただきます。
寺島先生の前著『英語教育原論』と、このたびの新著を理論的な中核として、今後「まともな」英語教員たちとの運動をどう組織していけるかが大切ではないかと思いました。