希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

教員・公務員バッシングの罠

コメント欄に、公務員は「ぬるま湯的環境で高給をむさぼって」いてけしからん、というご意見をいただきました。

コメント欄に反論を書こうと思いましたが、「500字制限」を超えそうなので、こちらに書きます。
ただし、今から仕事のため、短い意見のみにとどめます。

まず、相次ぐ賃金カットと人減らしで、今どき「ぬるま湯的環境で高給をむさぼって」いる公務員はほとんどいないでしょう。神話です。

また、公務員一般では論じられません。
最近は短期雇用の公務員が急増しており、低賃金と不安定な立場です。
天下りできるような高級官僚は、ほんの一握りです。この人たちの行動が、メディアでは公務員の象徴であるかのように報じられ、公務員一般へのバッシングにすり替えられます。

以上のような、メディアコントロールにだまされないことが、まず必要だと思います。

その上で、問題を単純化してみましょう。

(1)民間の賃金・労働条件はとても厳しく、民間労働者は不幸だ。
(2)公務員の賃金・労働条件は良く、公務員は幸せだ。

公務員は「ぬるま湯的環境で高給をむさぼって」式の発想は、(2)を(1)に引き下げろという要求です。
これは「不幸の連鎖」です。マスコミや政府が煽っている方式です。

賃金や労働条件を改善し、みんなが幸せになろうという発想に立てば、(1)を(2)のように向上させようと要求します。

現に、民間の組合で闘っている人の多くは、こちらの立場です。
公務員と共闘し、支援を惜しみません(私も文部教官=国家公務員時代に経験しました。)
愚痴を言うだけで政府や経営側と闘わない人は、よく公務員バッシングに加担します。政府・経営側の思うつぼです。

(1)にも(2)にも共通の敵がいます。

まず、実働の何百倍もの高給を得ている人たちです。
リストラで日産を「再建」した社長は年に9億円ももらう価値があるでしょうか。リストラされた労働者と家族は、どれほど悲惨な生活を強いられるでしょう。
こうした高額所得者は、小泉改革などで大幅に減税されています。法人税もです。

次に、財政赤字だというなら、なぜ戦闘機や米軍支援経費に巨費を投じるのでしょうか。
なぜ、原発核燃料サイクルに兆単位の予算を投入するのでしょうか。

働く者が内輪もめをしているときではありません。