12月12日(月)、和歌山県内の中学校をお邪魔しました。
10月にもお邪魔した学校で、協同学習を取り入れた授業改革に熱心な学校です。→過去ログ
当日いただいたパンフレットには、同校の改革の方向性が明確に書かれています。
このように、同校は今年の5月以来、実に8回の公開授業研修を実施し、2月までに10回を予定しています。
これ以外に、教科単位の授業研修が年に8回あるのです。
これ以外に、教科単位の授業研修が年に8回あるのです。
ですから、今年5月から校長先生のリーダシップの下に協同学習を取り入れて日が浅いというのに、授業・学校改革でめざましい成果を挙げています。
今回の訪問で最も感動したのは、授業展開の大胆さでした。
失敗を恐れず、これまでの授業の枠組みを超えた授業プランを立案し、果敢に挑戦したことでした。
失敗を恐れず、これまでの授業の枠組みを超えた授業プランを立案し、果敢に挑戦したことでした。
教師たちが、これまでの授業改革で自信をつけてきた証拠です。
1年生の英語授業の目標は、"Where is ~"を使って、ものがどこにあるのかを尋ねたり、それに応答するコミュニケーション活動を行うということでした。
そこで実践されたのが、2階のフロア全体を使っての「宝探し」。
映画「ミッション・インポシブル」の音楽に合わせてサングラス姿の先生がさっそうと現れ、生徒たちに宝物を探すミッションを入れた封筒を渡します。
映画「ミッション・インポシブル」の音楽に合わせてサングラス姿の先生がさっそうと現れ、生徒たちに宝物を探すミッションを入れた封筒を渡します。
生徒たちはグループで相談しながら、またクラスメートに"Where is my ~"と尋ねて情報を得ながら、お目当ての宝物を探します。
なんせ宝物は広い2階の各所に隠されていますから、次々に教室を飛び出し、英語で尋ねながら、必死で探さなければなりません。
子どもたちがたいへん生き生きと活動していました。
教師と生徒、生徒と生徒との信頼関係がなければ、また、学びに対する生徒の高い意欲がなければ、教室を飛び出すこのような大胆な実践は成立しません。
もう一つの授業は2年生の「総合的な学習の時間」で、コンピューター室での国際交流活動でした。
それを読み解き、英語で返事を書くという実践でした。
まさに、これからの日本人に必要とされる活動であり、Authentic material(生の英語)に直に触れさせることで、英語学習に対するモチベーションを高めることができます。
なにより、外国語を通じて、さまざまな民族との交流を体験させる意義はきわめて大きいと言えるでしょう。
もちろん、中学2年生が相手の生きた英語を読み解き、英語で返信するというのは生やさしいことではありません。高い「背伸びとジャンプ」の課題です。
しかし、子どもたちは仲間やALTと相談しながら、また電子翻訳機能や辞書を一生懸命に使いながら、果敢に挑戦していました。
授業後の研究協議会では、2つの実践に対する様々な意見が出されました。
もっと協同的な学びを取り入れるべきだ、課題が難しすぎた、などなど。
もっと協同的な学びを取り入れるべきだ、課題が難しすぎた、などなど。
しかし私は、2つの授業とも、教科書やマニュアルに沿った誰でもできる授業ではなく、失敗を恐れずに、まったく新しい授業スタイルを考案し、果敢に挑戦したことに大きな拍手を送りたいと思いました。
こうした大胆な試みこそが、試行錯誤を通じて、従来の授業にはなかった新たな質の高い学びのスタイルを開拓していくのです。
失敗しないのは何もしない人間だけです。
また、失敗には2種類あります。
1つは怠慢による後ろ向きの失敗であり、もう1つは大胆な挑戦による前向きの失敗です。
1つは怠慢による後ろ向きの失敗であり、もう1つは大胆な挑戦による前向きの失敗です。
今回、授業者からは「失敗だった」との声も聞こえましたが、もし失敗の要素があったとしても、それは大胆な授業スタイルを、しかも公開授業の場で堂々と実践しことによる前向きの「失敗」であり、何ら恥じることではありません。
次回の訪問がますます楽しみになってきました。
なお、前回10月の訪問時には研究協議会の進行が私に一任されたため、やや議論が低調でした。
そこで、ワークショップ型の全員が発言し、参加する協議会を提案させていただきました。
そこで、ワークショップ型の全員が発言し、参加する協議会を提案させていただきました。
今回、指導主事さんの進行の下に、ワークショップ型協議会が実施され、充実した協議会となりました。
この面でも、大きく前進したと思います。
この面でも、大きく前進したと思います。
その後の私の講話「学びの共同体と学校評価」については、後日スライドをアップする予定です。