昨年は,相次いで次のような本が出た。
小林省三『特別支援教育と外国語活動:わかくさ学級の子どもたち』教育出版
伊藤嘉一・小林省三『「特別支援外国語活動」のすすめ方』図書文化社
どちらも,昨年から必修化された小学校外国語活動に対応したタイムリーな本だ。
今後は,こうした知見から学び,中学校以上の英語教育でもノウハウを蓄積することが大切だと思う。
前者の本から,興味深い指摘を紹介したい。
自閉症、高機能自閉症、学習障がい、注意欠陥多動性障がい、ダウン症候群などの障がいを持った子どもたちは、人と関わることが苦手だったり、意志をうまく伝えられなかったり、言語能力が乏しいなど、言語でコミュニケーションを行う際の能力が不足していることが多い。
しかし,大事なことは,優れている特性も少なくないことだ。
そうした優れた点に着目して適切な指導方法をとれば,この子たちの能力を生かすことができる。
そうした優れた点に着目して適切な指導方法をとれば,この子たちの能力を生かすことができる。
1. 母語に自信のない子どもが、英語などの他の言語ではコミュニケーションを図ろうとする積極性が見られる。
日本語に比べて、英語は規則性のあるイントネーションで構成され、リズミカルであり、また限られた語彙でもコミュニケーションが可能であるからだと考えられる。
日本語に比べて、英語は規則性のあるイントネーションで構成され、リズミカルであり、また限られた語彙でもコミュニケーションが可能であるからだと考えられる。
3. 外国語活動の中で、視覚的に効果のあるピクチャーカードや写真、実物、模型などを多用することで、視覚的に訴えることができる。
4. 歌などの活動の際、教師の口の形を注視し、歌の模倣をしようとする態度が見られる。
障がいを持つ子どもの中には聴覚が発達している子どももいるから,そうした特性を生かした言語活動を行えば効果的である。(ただし,聴覚過敏には注意が必要)。
障がいを持つ子どもの中には聴覚が発達している子どももいるから,そうした特性を生かした言語活動を行えば効果的である。(ただし,聴覚過敏には注意が必要)。
まさしく,障がいも個性なのだ。
この分野の研究と実践の進展に期待したい。