希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

(新刊予告)『学習英文法を見直したい』(仮題)

5月12日(土),東京の大塚英語教育研究会で「英語教育の歴史から学ぶ」と題して講演をしました。

英語教育史に興味を持つ院生や学部生も来ておられて,たいへん頼もしく思いました。

懇親会では,島岡丘会長をはじめ,廣瀬和清氏,小池生夫氏ら重鎮の先生から若手の先生まで,とても楽しく飲みかつ議論しました。

翌日曜日は,5.27英文学会シンポのレジュメの締切なので日帰りで戻ったのですが,自宅には研究社から「学習英文法の歴史的意義と今日的課題」のゲラ(初校)が届いているではありませんか。

昨年9月10日に慶應義塾大学で開催され,大成功をおさめた 「学習英文法」を考えるシンポジウム

その内容が,新たな執筆者を加えて本になります。

きのう初稿のゲラが届いたところなのに,研究社のホームページにはすでに「新刊情報」として,発売日まで予告されています。さすが,仕事が早い!

徹底討論! 理想の学習英文法の姿とは何か

大津由紀雄 〔編著〕学習英文法を見直したい(仮題)

A5判 並製 250頁/予価2,625円(本体2,500円+税)
ISBN 978-4-327-41080-3 C3082

2012年7月23日発売予定

内容紹介
英語を外国語として学ぶ日本人にとって、英文法の学習は必要不可欠。コミュニケーション能力を下支えするのも英文法の知識だ。むろん、従来の英文法のあり方が無条件で肯定されるわけではない。本書は、日本人にとっての理想の学習英文法のあり方を問い直し、改めて英文法の意義を再評価する試みである。2011年9月10日に慶應大学で行われた「学習英文法シンポジウム」登壇者のほか、さらに多くの論者の協力を仰ぎ、理想の学習英文法の姿を徹底討論する!

目 次

はじめに  大津由紀雄

【基礎論】
いまなぜ学習英文法か?――大津由紀雄
学習英文法を考える際の論点を整理する――亘理陽一
学習英文法の歴史的意義と今日的課題――江利川春雄
足場としての学習英文法――斎藤兆史
新しい学習英文法の検討から見えてくる学習英文法の条件――松井孝志
国際コミュニケーションと学習英文法――鳥飼玖美子
ビジネス英語と学習英文法――日向清人

【内容論】
学生・生徒の文法力――現状分析と処方箋――久保野雅史
より良い学習英文法を探るための視点――末岡敏明
学習英文法の内容と指導法――岡田伸夫
コミュニケーション能力と学習英文法――柳瀬陽介

【方法論】
学習者にとって「より良い文法」の構築に向けて――「意味順」の提案――田地野彰
学習英文法におけるアルゴリズムの可能性と限界――山岡大基
日本語への「気づき」を利用した学習英文法――大津由紀雄

【さまざまな視点から】
科学文法と学習英文法――高見健一
英文読解と学習英文法――真野泰
英作文と学習英文法――福地肇
辞書と学習英文法――馬場彰
コーパス研究と学習英文法――大名力

【眺望】
学習英文法への期待――安井稔

おわりに 大津由紀雄

なかなかの内容でしょう。

乞うご期待!