希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

ゼミで『英語教育大論争』(1975)を読む(1)

10月28日のゼミでは、戦後屈指の英語教育論争を扱った『英語教育大論争』文藝春秋社、1975;文庫版1995)の前半を取り上げました。

 

学校の英語教育は、全員には中1程度にとどめ、結果的に国民の5%が英語の使い手になれば国益に叶うと提言した「平泉試案」。

 

それに対して、教養主義の立場から痛烈な批判を展開した渡部昇一氏の反論。

 

づつく平泉渉氏の再反論・・・

 

英語教育の目的論・本質論をめぐる論争で、今日的な意義も高いものがあります。

 

平泉試案から約40年が経ったいま、露骨に「国民の5%」とは明示しないものの、実質的にはエリート主義とスキル主義の英語教育政策が進行しているからです。

 

ゼミの学生たちは、全員が渡部派でした。

 

そうなると、渡部氏の主張の弱点も探らなければなりません。

 

次回の議論が楽しみです。

 

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