希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

映画「100,000年後の安全」を使った英語授業と協同学習による授業実践(7)

本ブログが37万ヒットを突破しました。
私が住む和歌山市の全人口とほぼ同じ数です。

引き続き、よろしくお願い申し上げます。

教養科目の「英語」の授業では、映画「100,000年後の安全」(原題はInto Eternity:マイケル・マドセン監督、2009年)を使ったリスニングを2回に分けて行いました。
(市販のDVDには英語字幕がないのが残念です。)

小泉元首相を原発推進派から反対派に一変させた、フィンランド放射性廃棄物処理施設「オンカロ」を扱った記録映画です。

原発から出される放射性廃棄物、たとえば半減期が24,000年のプロトニウムが「安全」なレベルに達するまで、最低10万年はかかります。

オンカロでは、核廃棄物を地中深くに閉じ込めようというのです。
その安全管理の難しさを説いたドキュメンタリー映画の秀作です。

ディスニーのように楽しい映画ではありません。
重く、深刻な映画です。

一部の学生は「面白くなかった」、「睡魔に勝てなかった」と率直に書いてくれました。
しかし、「放射性廃棄物の処分がこれほど難しいとは思わなかった」「真剣に考える必要がある」との意見が多数を占めました。一部を紹介しましょう。

原発の話を最近よく耳にしますが、廃棄物の問題がこんな10万年という途方もない時間がかかるとは知らず、次の世代に申し訳ない気持ちですが、しっかり考えないといけないと思いました。」(Fさん)

「現在日本にとって最も重大な課題の一つである原発及び放射性廃棄物の処理問題についての映画であり、我々日本人の多くが知るべき内容であると思う。なぜ人間は自らを死の危険にさらすようなことを進んでやってきたのか。その危険性をなぜ無視してきたのかということを考えながらこの映画をみていきたい。」(Kさん)

「日本人がもっとこの映画を見たり、学んだりすれば、世論は変わったり、政治家も意見を変えるのかもしれない…。」(M君)

さて、ゼミでは協同学習を取り入れた模擬授業を行い、改善点を出し合いました。

今回は、分詞(現在分詞・過去分詞)による後置修飾の指導を中心にした内容でした。

詳細はゼミ通信 La La La をご覧ください。

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