希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

福島第一原発、広島原爆20個分の放射能を放出か

原子力安全・保安院の「やらせ指示」問題は、「想定内」の事件とは言え、その底知れぬ腐敗には改めて怒りを感じる。

保安院は解体するしかない。過去にさかのぼって関係者を厳罰に処し、徹底的に事実関係を確認させるべきだ。

さて、本日の和歌山英語教育研究会(明日は阪大での英語教育総合学会)に出席する前に、取り急ぎ1点。

7月27日、衆議院厚生労働委員会参考人として招かれた児玉龍彦氏(東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)の痛切な訴えには、ぜひ耳を傾けるべきだろう。

文字通り、渾身の訴えで、僕は見終わった後、雷に打たれたような感動を覚えた。

すべて重要な発言だが、取り急ぎ一部を紹介したい。

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我々が放射線障害を診る時には、総量をみます。それでは東京電力と政府は一体今回の福島原発の総量がどれくらいであるかはっきりした報告は全くされておりません。そこで私どもはアイソトープセンターのいろいろな知識を基に計算してみますとまず、熱量からの計算では広島原爆の29.6個分に相当するものが漏出しております。ウラン換算では20個分の物が漏出していると換算されます。

さらに恐るべきことにはこれまでの治験で原爆による放射線の残存量と原発から放出されたものの放射線の残存量は、一年に至って原爆が1000分の一程度に低下するのに対して、原発からの放射線汚染物は10分の一程度にしかならない。

つまり、今回の福島原発の問題は、チェルノブイリと同様原爆数十個分に相当する量と原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したという事が、まず考える前提になります。

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氏は特に、住民の放射能被曝の危険性、とりわけ子どもたちの危険性を専門的な観点から、具体的に訴えている。
最後は政府と国会の怠慢に対する痛烈な批判。

氏の発言の映像と文字化したものが「Peace Philosophy Centre」に掲載されている。
   http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/07/blog-post_29.html

ぜひご覧ください。

(情報提供:メルマガ金原No.458)