希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)2

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考えるブログです。

近刊『英語教科書は〈戦争〉をどう教えてきたか』(研究社)その1

「世界と戦える人材育成」

そんな言葉が普通に飛び交う時代は、やはりおかしい。
私たちは、世界と戦うためではなく、世界と平和的に共存するために、英語教育を行っている。

政府や政治家たちは、戦前の「世界と戦う英語教育」の実態を知っているのか。
英語教科書に<戦争>教材を盛り込み、子どもたちを戦地に追いやった実態を。

そう考えると、いてもたってもいられなくなって、夢中で執筆した。

明治以降の外国語教科書を集めるのに約30年を費やした。
本書は、その数千冊の教科書から<戦争>教材を選りすぐった。

材料集めに時間はかかったが、執筆は一気呵成だった。
「時代の空気」への危機感からである。

敗戦70年の今こそ、問いたいと思った。

英語教育の究極の目的は「平和」である。

そのためには、過去の<戦争>教材を直視しよう。

同じ過ちをくり返さないために。

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